カーメンテナンス/車の点検ポイント

サーモスタットとは?機能や寿命、交換方法などを解説(2ページ目)

サーモスタットについて解説します。サーモスタットは冷却液の温度をコントロールするパーツのこと。オーバーヒートや冷却水の冷えすぎについてや、サーモスタットの役割や機能、寿命の目安、応急処置の方法、交換について解説します。(初出:2001年)

執筆者:高山 則政

寿命の目安は5~10年位

サーモスタットは定期的に交換するパーツではないので、不具合が出てから交換すれば良い部類のものです。寿命は一概にはいいにくいのですが、5年くらいは持つでしょうし、うまくいけば10年くらい使っても何も起こらないこともあるでしょう。ただし、年を追うごとに温度変化に対する追従性は落ちていきます。使用条件でいうと、荷物を積載するなどの過酷な条件になりがちな商用車などでは温度上昇しやすいので、寿命が短くなる傾向にあるようです。

エンジンを掛けてから、どのくらいで水温計が適温に達するかを正常なうちから把握しておく習慣をつけておくと、異常を発見するのも早くなるでしょう。

寿命判定のやりかた

水温計が上がらないからといって、即座にサーモスタットの犯人と決めつけるわけには行きません。まず、冷却水の量が適切かという基本的な部分からチェックしますが、夏場に何もトラブルが無ければ、冷却水の量などはOKと考えても良いでしょう。

冬場のオーバークールの場合は、ヒーターの効きが悪くなるので、温度設定を最高にしてみて温風が出るかどうかをチェックします。ぬるいようなら、エンジンルームでもチェックしてみます。

ラジエーターホースのアッパーホース(上側のホース)を軽く触って熱くなっているかをみます。また、エンジンルームから室内側に通っているヒーターホースも触ってみます。ヒーターホースは直径20~30mmのゴムホースで2本平行になって、室内へ通されています。エンジンが暖機されていれば、ホースもかなり熱くなっていますが、オーバークールの時はホース自体を握っていられるくらいです。

チェックの時は、くれぐれもエンジンや電動ファンの回転部に巻き込まれたり、高温の排気管に触れたりしないよう気をつけます。

 


応急処置は?

オーバークールでエンジンが即座に壊れることは少ないのですが、車内が寒くてしょうがないという場合は、応急処置で水温を高くすることもできます。ラジエーターの前面を半分から1/3くらい覆ってしまえば良いのです。これで、走行風が当たりにくくなるので放熱を押さえることができます。ボディ形状等でやり方は多少違ってきますが、段ボールや厚紙をラジエーターの前に挟むことで急場しのぎにはなります。ただし、電動ファンなどに引っかけないように注意します。


 

サーモスタットの交換は・・・

サーモスタットの単価は1000~2000円前後といったところです。どういうワケか、ホームセンターで販売していることもあります。また、カーショップではチューニング用のローテンプサーモという開弁温度が低いタイプもありますが、一般車にはオススメできません。

古いクルマでは簡単に換えられるタイプもありますが、基本的にはプロが行う作業範囲になるでしょう。この時、冷却水を抜き取る必要があるので、こちらも同時交換することになると思います。いずれにせよ、高額な修理ではないので水温の異常を発見したら、早めにプロの診断を受けた方が良いと思います。
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