ジュエリー博物館めぐりの第2回は、フィレンツェよりお届け。この街を訪れて誰もがまず最初に訪れるのは、花のサンタ・マリア教会でしょう。この教会の外壁は、白や緑、ピンクなどさまざまな色の石材で飾られています。フィレンツェは、石細工の街でもあるのです。

花のサンタ・マリアからシニョリーア広場を通り、ジュエリー・ショップがずらりと並ぶヴェッキオ橋を渡ると、ピッティ宮殿に行き着きます。ここにはラファエッロの絵画で有名なパラティーナ美術館がありますが、ジュエリー好きの皆さんは、まず宮殿の一角にある《銀器博物館》へ。

名前からして銀食器ばかりが展示されていると早合点し、通り過ぎる人も少なくない小さな博物館。しかし、別名《大公の宝物館》と呼ばれるここには、芸術の庇護者だったメディチ家の財宝が集められているのです。収蔵品はコップや水差しなど宝石細工の工芸品が多くを占めていますが、中2階ではカメオやインタリオ、ルネッサンス期のジュエリーなども見ることができます。

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ピッティ宮の一角にある銀器博物館。
注意事項は、閉館時間が午後1時30分と早いこと。
また、常に主要な収蔵品のすべてを
展示しているわけではなく、今回ご紹介する作品も、
時期によっては見られないこともままあるようです。

まずは1階を歩いてみましょう。入口を入ってすぐ、壮麗なだまし絵に彩られた大広間を左手方向に抜けると、そこは「ロレンツォの間」。ジャスパーやサードニクスなどの玉髄を彫り抜いた、古代ローマの壺やコップが並んでいます。かのロレンツォ豪華王(1449~1492)が愛用していたものは、すぐにそれとわかるはず。稀少な古代の遺品に「LAVR.MED.」と、ラテン語読みの自分の名前を大きく彫りつけているからです。(画像:ロレンツォ愛用の壺≫

再びだまし絵の大広間に戻って進むと、今度は「水晶の間」「琥珀の間」「象牙の間」に行き当たります。水晶の間は、一見、透明なガラスの水差しや酒杯がたくさん並んでいるように見えますが、これらはアルプスで採れたクォーツの巨大な結晶を彫り抜いたもの。高さ40cmを超える大きな青いワイン壺は、なんと贅沢なことに、ラピスラズリ製です。トスカーナ大公フランチェスコ1世(1541~1587)が集めたコレクションで、いずれもルネッサンス風の美しいエナメル装飾がほどこされています。(画像:水晶の水差し≫ラピスラズリのワイン壺≫琥珀と象牙の聖具≫

ピッティ宮の売店で手に入るガイドブックは、
日本語を含む各国語版あり(6.20ユーロ)。
先に手に入れてから入館すると、
より展示物を楽しめるでしょう。
表紙の写真は、オウム貝の水差し。

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