最後に、ジュエリーシーンの裏事情など。まずは日本デビューを虎視眈々と狙うジュエラー〈フレッド〉の話題です。
この名を聞いて思い出すのは、何といっても映画『プリティウーマン』。オペラを観に行く夜、ジュリア・ロバーツはすばらしいルビーのネックレスでドレスアップします。この時、リチャード・ギアがネックレスを借りてきたのが〈フレッド〉なのでした。
〈フレッド〉は1996年に日本の某ジュエリーメーカーが輸入を断念。銀座並木通りにあったブティックは、今ではクリスチャン・ディオールになっています。その後、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループに組み込まれ、LVMHはこの9月にも日本法人を設立して〈フレッド〉など手持ちのブランドのテコ入れをはかる見通し。個性豊かなブライダルコレクション、そしてカラーストーンの見事さに定評のあるジュエラーですので“再デビュー”には期待がかかります。
さて、もう一つの話題は、故ダイアナ妃が事故死する直前、恋人のドディ・アルファイド氏と連れだって訪れ、ダイヤモンドの婚約指輪を注文していたという〈レポシ〉。モンテカルロで成功を収め、ヴァンドーム広場にも出店しているインターナショナル・ブランドですが、その輸入代理店をつとめる日本の某メーカーが、先頃このジュエラーから手を引く決断をした模様。ユニークなブライダルコレクションを展開していたのですが、結局ブティックのオープンにも至らぬままの撤退となりました。
実は〈レポシ〉は、1998年に日本に“初デビュー”を飾ったことになっていますが、実は1991年にも日本出店を目指し、問題が起きて撤退した経緯がありました。果たして“再々デビュー”の機会は、ダイアナ妃が愛したこのジュエラーにめぐってくるのでしょうか?