妊婦健診とは?頻度や内容・費用は場所により異なる
妊娠週数が進むほど、妊婦健診の回数・頻度は増える
定期妊婦健診(検診)の回数・内容・費用・流れや頻度について詳しく解説します。
<妊婦健診の基礎知識・目次>
妊婦健診の回数・頻度は、週数が進むほど頻繁に
妊婦検診は、妊娠7カ月以降2週間に一回へ、妊娠10カ月以降1週間に1回へなどと、週数により回数が変わってくる
- 初診の妊娠判定から妊娠11週目頃(妊娠3ヶ月)→ 1~2週間に1回
- 妊娠12週目~23週目(妊娠4~6ヶ月) → 4週間に1回
- 妊娠24週~妊娠35週(妊娠7~9ヶ月) → 2週間に1回
- 妊娠36週以降(妊娠10ヶ月) → 1週間に1回
- 妊娠40週以降 → 1週間に2回
ただし、出血やおなかの張り、痛みなど、心配なことがあれば、次の妊婦健診を待たずに受診しましょう。
妊婦健診の診察前に毎回する検査
妊婦健診の診察前に毎回する検査は?
- 尿検査
受付後に最初にトイレで尿を採り、尿蛋白、尿糖をチェックします。
- 体重測定
妊娠中の体重増加の目安は、やせ気味の人は9~12kg、標準体重だった人は7~12kg、肥満気味の人は5~7kg(個別対応)となります。
- 血圧測定
妊娠高血圧症候群では早く発見することが大切です。140/90mmHg以上が高血圧です。急いで来院したり、緊張すると血圧は通常より上がります。血圧が高い場合は、深呼吸をし
て再度測定します。
妊婦健診の内容、診察室での流れ
妊婦健診では一体なにをするの?
- 問診
診察室に呼ばれ、最初に医師から、前の健診からとくに変わったことがなかったか、体調は悪くないか、今心配なことがないかなどを聞かれます - 腹囲・子宮底長測定(妊娠中期以降毎回チェック)
子宮底長の目安はおおよそ「妊娠週数-(2~5)cm」ですが、個人差も大きく、測定者、測り方によっても誤差もあります。最近は腹囲・子宮底を測定しない病院もあります。 - 浮腫(むくみ)検査(妊娠中期以降毎回チェック)
足のすねや甲を指で押してチェックします。浮腫があっても、血圧が正常で尿も通常に出ていれば、問題ないことがほとんどです。 - 超音波検査
妊娠初期は腟から、中期はおなかの上にプローブをあてて子宮内の様子を主に観察します。胎児の位置(頭位・逆子)、発育、形態、羊水量、胎盤位置などを確認。頻度は施設により異なり、毎回超音波検査をする施設も多いです。
- 血液検査(2~3回)
初期は血液型、貧血、風疹抗体の有無、梅毒、B型肝炎、C型肝炎、HIV(エイズ)、トキソプラズマ抗体、不規則抗体、T型白血病(ATL)など。中期は貧血検査と妊娠糖尿病のスクリーニング検査。後期は貧血検査が中心となります。
- 内診(妊娠後期、内診台で)
経腟超音波が一般的になり、初期の内診は少なくなりました。後期は子宮口の状態、児の下降などをチェックします。産院によって頻度は異なります。
- 説明(毎回)
ひととおりの検査が終わったあと説明があります。特に問題がなければ「順調です」で終わることも、気がかりなことは遠慮なく質問してください。
妊婦健診の必要時に行う検査は?
妊婦健診の必要時に行う検査
- 子宮がん検診
初期検査の必須項目に含まれています。
- 腟分泌物検査
妊娠後期(通常34週以降)に産道感染と関連するGBS(B群溶連菌検査)検査、妊娠中期にクラミジア検査、かゆみがある時にカンジダ培養などを内診台に上がって実施します。
- 経口ブドウ糖糖負荷試験
妊娠初期の随時血糖値が高値、あるいは妊娠中期の妊娠糖尿病スクリーニング検査で陽性の場合、前日夜から絶食をし明朝に受診し、空腹時血糖を測定後、75gのブドウ糖水を飲んでもらい、1時間、2時間後の血糖値を測定します。
- 保健相談
医師の診察後、主に助産師から生活における注意や、バースプランなどの話しがあります。
- 子宮頸管長測定
妊娠中期に早産のリスクを評価するために腟式超音波検査で、子宮頸管(子宮の出口)の長さを測ります。25mm未満は早産リスクが少し高くなります。
- NST(ノンストレステスト)
妊娠後期に、20~40分ほど、赤ちゃんの心拍数パターンを測定し、赤ちゃんが元気であることを確認します。
- 骨盤X線検査
予定日近くで、児が下がってこない、骨盤が狭い時などに撮影します。児頭骨盤不均衡の評価や狭骨盤の診断を行います。ただし、最近は施行する病院はほとんどありません。
妊婦健診時の服装
妊婦健診時の服装は上下セパレートやチュニックがオススメ
また、タイツやストッキングも着脱に時間がかかるので靴下の方が便利で、靴も着脱が簡単なものを心がけるとよいでしょう。
妊婦健診の費用・金額・補助券のもらい方
妊婦健診の費用・金額・補助券のもらい方は?
そこで、少子化対策の一環として、2009年4月、国は原則14回まで妊婦健診費無料化を打ち出しました。しかし、全ての自治体が無料化されたわけではなく、助成内容や費用は異なるので、お住まいの自治体の制度を確認しておきましょう。
母子手帳を受け取ると、「妊婦健康診査受診票」という補助券が、回数分同封されています。この補助券を病院の窓口で提出すると、妊婦健診の費用が助成される仕組みになっています。
超音波検査など、特別な検査は通常は補助の対象にはなりません。病院によっても異なりますが、一般的には助成を受けた後でも、5~15万円程度の費用は必要になります。
また、妊婦健診にかかった費用は、医療費控除の対象となるので、申請をする予定の人は、領収証の保管を忘れずに!
【関連記事】 【関連サイト】