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木造住宅-木の家を建てる時の注意点(2ページ目)

日本人に昔から馴染みのある木造の住宅。しかしみなさまは「木」について詳しく知っていますか?木の利点、欠点などを知り、木の特性を生かすことで、より心地のよい快適な空間をつくることができるでしょう。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

木の問題点は何?-木の割れや反りについて-

木は最初のうち、含水率200%ほどで大量の水を含んでいます。伐採された瞬間から含水率は減り続けて、15%程度まで下がります。そして最終的には空気中の湿気を吸って、10~15%くらいの含水率に落ち付きます。それが乾燥しきらないうちに加工をして家を建ててしまうと、その後木材が縮むなどして不具合が生じてしまいます。また、現在の住まいは断熱性や気密性を確保する必要から、構造材を壁の中に閉じ込めるつくりになっています。木から抜けていく水で、壁の中で腐ったり、カビたりする問題も引き起こしてしまいます。したがって、構造材は含水率15%以下で乾いている材を使うことが重要なのです。

木材の割れや反りを防ぐには・・・

木材の背割の入れ方や、集成材を使うことで防ぐことができます。木材の背割れは一面だけに入れる方法と、四方に入れる方法があります。
集成材は、3枚の板を貼り合わせてつくられた材です。5mを超える距離を飛ばす場合、梁材などに使われていましたが、現在は柱にも多く使われています。ただ、壁の中に隠れる場合はよいですが、柱が見える場合は、乾燥した無垢材を使いたいものですね。

背割の方法

背割の方法

集成材の梁:(株)佐川旭建築研究所

集成材の梁:(株)佐川旭建築研究所


木造のよい住宅とは

かつてよい住宅とは、「よい材」と「よい職人」でつくられたものを言いました。よい材とは、節がなく木目がきれいな材。よい職人とは、匠の技をつかう職人です。
しかし現代のよい住宅とは、現場での総合力がある職人さんによってつくられた、耐震性があり、様々な性能が確保された安全で長持ちのする住宅です。

日本は木の国です。地域で育った木は地域で使われることで、その木の特性が表現できるのです。もっと木の魅力を住まいに表現していくことで、木がもたらすやさしさや、うるおいを感じとれる空間を地域ごとにつくっていきたいものです。
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