産婦人科医が解説!産後のセックスはいつからOK?
産後セックスレスになるカップルも多くいます。すれ違いを避けるには?
■産後のセックス再開・目次
- 産後、母乳をあげている間は性欲を感じにくい
- 産後は体にやさしいセックスで再開を
- 産後のセックスが痛いかどうかは精神的なところも大きい
- 産後のセックスレスカップルが増えている
- 最初はかみ合わなくてあたりまえ
産後、母乳をあげている間は性欲を感じにくい
産後は性欲を感じにくい
赤ちゃんに母乳をあげている間は、乳汁分泌に関係する「プロラクチン」というホルモン分泌が増え、女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌量が減っているので、性欲も感じにくくなっています。それに、「会陰切開の傷は痛まないか」「腟がゆるんではいないか」なども心配となるでしょう。
産後は体にやさしいセックスで再開を
お母さんの心と体を考慮するとなれば、多くのカップルが、産後1ヶ月から半年後に再開となっているのが現実のようです。最初は、妊娠中と同様、体にやさしいソフトなセックスから始めてください。無理に挿入までしなくても、お互いの肌に触れ合うことから、心身をリラックスさせてみるのもいいでしょう。産後のセックスが痛いかどうかは精神的なところも大きい
最初のセックスは痛いのではないかと心配するお母さんも多いようですが、傷そなものの痛みはなくなっていることが多いでしょう。精神的にリラックスできて十分に膣内がうるおっていれば、痛みは問題ならないと思います。 最初の何回かは痛みとして感じることがあるかもしれません。何回かしてゆくうちに様子がわかってきて安心できるようになれば、それがリラックスにつながり、腟内も十分にうるおい、緊張もなくなってくるでしょう。この過程を、二人そろってゆっくり歩んでいけるといいですね。産後のセックスレスカップルが増えている
医学的には、産後1ヶ月で、セックスは問題ないですが、実際には産後1ヶ月半から2ヶ月で再開する夫婦が最も多いという調査があります。同調査では、そのうち、産後5ヶ月でも再開していない割合も3~4割くらいあるといいます。そして、この頻度は、年々増える傾向にあるようです。その理由としては
- 出産後の新しい生活に疲れて余裕がない
- 心身共に疲労に陥っている
- 性的欲求の低下
さらに少数ではありますが、出産が辛い体験となっていて、恐怖や痛みといった性的恐怖心から、産後のセックスの再開に新たな問題を引き起こしている状況も見られます。
最初はかみ合わなくてあたりまえ
産後の、二人の関係自体が、これまでどおりというわけにはいきません。セックスも、しばらくかみ合わないことがあっても、それであたりまえなのです。この期間のタイミング探しもコミュニケーションの一つとして楽しむことができれば、二人の心がどんどんすれ違っていくということは少なくなるでしょう。なお、再開した場合、生理はまだこなくても、いつ排卵が起こるかはわかりません。まだ子どもを望まない場合は、最初から避妊が必要です。母乳をあげている問は妊娠しないと思っている人もいますが、それは誤りで、確実ではありません。