出産後の母体の痛み・トラブルの対処法

産後の体がおかしいと感じたら早めに受診を

産後の体がおかしいと感じたら早めに受診を

産後、出産という大仕事を終えたお母さんの体には疲れがたまり、抵抗力も落ちています。産後に受けた処置のその後も気にかかるところでしょう。赤ちゃんの世話で、自分の体のことはあと回しにしてしまいがちですが、おかしいなと感じたときは、早めにお産をした施設で診察を受けてください。このころによくあるトラブルは次のようなものです。

■出産後の母体のトラブル・目次

出産後の子宮のトラブル

産後の体は抵抗力も落ちている

産後の体は抵抗力も落ちている


産褥熱(さんじょくねつ)

産後2~3日たってから、急に38度以上の高熱が出て、2日以上続くことをいいます。分娩の際、子宮内や子宮頸管、膣についた傷に細菌が感染して起こります。以前は死に至ることもあるとして恐れられていたトラブルでした。

今は、抗生物質の発達も著しく、重症になるケースはほとんどなくなりました。細菌感染を防ぐためにも、悪露の手当ては清潔な状態で行います。清浄綿かきちんと清潔な綿で尿道口から肛門方向へふき取ります。

子宮復古不全(しきゅうふっこふぜん)

復古とは、もとの状態に戻ることをいいます。出産後、胎盤が娩出すると、子宮は直ちに収縮し、胎盤が剥離した部分の血管からの出血を防ごうとします。その後、子宮が収縮しながら妊娠前の状態に戻るには約6週間がかかります。これが子宮復古です。経過が正常であれば、産後1週問ぐらい赤褐色の状態が続き、次第に黄色、白色と変化し、1ヶ月後ごろには透明なおりもののようになります。

ところが何らかの原因で、この復古のプロセスが妨げられる状態が子宮復古不全です。子宮は大きく、やや柔らかで、赤褐色の悪露が続いたりします。胎盤や卵膜の一部が残っている(胎盤遺残、卵膜遺残)こともあり、子宮収縮剤が投与され経過をみることになるでしょう。稀ではありますが、産後1週間以降に、子宮がゆるみ大出血を起こすこともあります。その他、子宮内感染や子宮筋腫合併なども、子宮の収縮を妨げ、子宮復古不全の原因となります。


出産後のおしものトラブル

会陰切開の傷の痛みが続くことも

会陰切開の傷の痛みが続くことも

会陰切開の縫合部の痛み

会陰切開や会陰裂傷の縫合部の痛みは産後1週間でかなり落ちついてきます。ただし、そのあと1カ月ぐらいは引きつれるような違和感をおぼえるかもしれません。違和感が残っている間は、排尿や排便に恐怖感をもつ人もいるかもしれませんが、いきんでも傷口が開いてくるようなことはないので心配いりません。

必要であれば痛み止め、抗生物質が処方されて経過をみます。最近の縫合糸は溶ける糸がほとんどなので、基本的には抜糸の必要はありませんが、外陰部が腫れていたり、ひきつっていたりする場合は、抜糸をすることもあります。なお薬が処方されても、母乳はあげられます。

便秘・痔

産後、子宮が戻る過程で一時的に子宮が腸を圧迫するために便秘になることがあります。会陰の傷が気になってしまうことも、それに拍車をかけるかもしれません。

水分摂取と食事で改善するのがいちばんですが、ひどくならないうちに緩下剤を処方してもらってもいいでしょう。

妊娠中から、子宮の圧迫で肛門周囲の血液循環が悪くなり、便秘傾向も重なり痔になりやすいのですが、さらに、お産でいきむことにより、痔が悪化する場合がよく見られます。難膏や座薬で対応することがほとんどですが、稀ですが痔の手術を受ける方もでてきます。患部を清潔にし、シャワーなどで温めながら、便秘がある場合は、便秘の解消も大切です。

出産後のおっぱいのトラブル

出産後のおっぱいのトラブルは専門の助産婦さんなどに相談を

出産後のおっぱいのトラブルは専門の助産婦さんなどに相談を

乳汁うっ滞(うつ乳)

おっぱいが乳管にたまっていると、乳房が固くなったり痛みが出てきたりします。赤ちゃんによく飲んでもらうのが一番ですが、おっぱいがたまったままにしておくと乳腺炎になりやすくなるので、助産婦さんからマッサージをしてもらったり、おっぱいケアの指導を受けたりしてください。出産した病院を訪ねるのもいいし、おっぱいケアを専門に扱っている助産婦さんに相談するのもいいでしょう。

乳頭部亀裂症

乳頭がただれたり、亀裂ができたりすることです。ひどくなると亀裂から出血することもあります。それほどひどくなければそのまま授乳してもかまいません。痛みや傷がひどくなったときは、ぬり薬を処方してもらいます。授乳が難しいときは、一時的に哺乳びんに搾乳してから飲ませたり、市販の乳頭保護器を使ったりしてください。

乳腺炎(にゅうせんえん)

乳管に乳汁がたまっているところへ、乳頭の亀裂から細菌が入って炎症を起こすことです。乳房にはしこりができて赤く腫れたり、発熱したりすることもあります。症状が軽ければ、授乳を続けながら、患部を冷やすだけで治ります。ひどくなると、化膿している部分を切開して膿みを出さなければならないこともあります。痛みがひどく、高熱が出たときは急いで受診してください。


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※妊娠中の症状には個人差があります。記事内容は全ての方への有効性を保証するものではありません。体の不調を感じた場合は、自己判断せず必ず医療機関に相談してください。