基礎体温とは? つけることで大体の排卵日や体のリズムがわかる
基礎体温とは、生命を維持するために体が最低限のエネルギーを使っている時の体温
基礎体温表の正しいつけ方
睡眠中の体温を測定できれば、基礎体温にかぎりなく近いのでしょうが、そうもいかないので、起床直後の毎日同じ時間、通常は朝の寝床で、体を動かす前の体温を婦人体温計で計るのが基本です。就寝前に枕元に婦人体温計を置いておき、朝目覚めたら絶対に起き上がらないようにし、安静のまま体温を測定してください。寝床から出て、歯磨きや朝の身支度をしながら測定したりすると体温が微妙に上昇し、グラフがガタガタになってしまう原因になります。また普通の体温計を使うと、36.43度など微細に測定できず、グラフのパターンがわかりにくくなるので、必ず婦人体温計を使います。
基礎体温表の理想のグラフは、高温と低温の二相になる
卵巣機能が正常でちゃんと排卵している周期の基礎体温は、低温期と高温期という二相に分かれる理想の基礎体温グラフになります。くっきりでなくても、大まかに分かれていればOKです。必ずしも、毎日の測定をしなくても、二相になることが何となく分かれば、基本的には排卵はあることになります。生理から排卵までの卵胞ホルモン(エストロゲン)が優位の時期は「低温期」といわれる低めの体温が続きます。卵巣で成熟した卵胞が破裂し、排卵が起きると、卵胞は黄体となり、黄体ホルモンの分泌が増加する影響で、体温は上がり「高温期」といわれる高めの体温が約2週間続きます。逆に言えば、低温から高温に移行する時期に、排卵しているということになります。
妊娠していない場合は、黄体は退縮し、黄体ホルモンの分泌が低下することで、体温が下がり、また次の生理が始まります。 妊娠している場合は、妊娠性ホルモン【hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)】の影響で黄体は退縮せず、妊娠黄体となり黄体ホルモンの分泌が続くので、予定生理のころになっても体温が下がらず、高温期が続きます。17日以上も高温期が続く場合は、妊娠していると考えられます。
理想の基礎体温とは
- 低温から1~2日で高温へ移行する
- 低温期と高温期の差が0.3度以上
- 高温期が12~14日持続
基礎体温表のグラフがガタガタの場合
卵巣機能が正常でない、排卵がない場合などでは、基礎体温のパターンが変わってきます。基礎体温表のグラフがガタガタに上下していて、低温期がずっと続き、高温にならない一相性の場合は、排卵はなく、通常、生理になりません。一相性で、生理様の出血を認める場合は、破綻出血といって、エストロゲンが分泌し続けることで、厚くなりすぎた子宮内膜の表面が少しずつ剥がれておきる出血で、通常の生理とは違います。排卵はなく(無排卵周期)、出血がダラダラといつまでも続くことが特徴です。
基礎体温表のグラフが二相に分かれても、高温期が9日以内と短い場合や、低温と高温の差が0.3度以内と小さい場合は、黄体ホルモンの分泌が少ない黄体機能不全が疑われます。子宮の内膜が十分に厚くならず、受精卵が着床しにくい状態で、妊娠するための準備ができていない状態ともいえるでしょう。脳にある、視床下部や脳下垂体、卵巣の機能のどこかに異常があると考えられます。
基礎体温は、妊娠しにくい場合や、生理不順で病院を受診された方につけてもらうようお願いしています。
基礎体温の欄外に今日は何時に測定したとか、眠れなかったとかのメモ、その他、生理や出血、生理痛、性交渉があったなども記載してもらうと、より大切な情報として活用できるでしょう。
【関連記事】