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ミドリムシが地球を救う!?(4) 温暖化防止編(3ページ目)

普通の生物とは異なる性質をもったミドリムシ。高濃度の二酸化酸素にも耐えることができ、むしろ元気になってしまう。この珍しい特徴を使えば、現在世界が抱える大きな課題、そう「地球温暖化問題」を解決できるかもしれません。

川崎 さちえ

執筆者:川崎 さちえ

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ユーグレナを日本中で培養する

これだけの利用価値があるユーグレナ(和名:ミドリムシ)。量的に大丈夫なのか?という問題が浮上してきます。現在、世界でたった1社でしかユーグレナの屋外大量培養ができないという事実がある限り、施設の規模や土地のことを考えると、将来的に足りなくなるのは目に見えています。

この問題を解決する方法の1つが、現在日本中にある耕作放棄地の利用です。40万ヘクタールあると言われている耕作放棄地の10%、4万ヘクタールを使うことができれば、それだけで日本国内の航空燃料需要の10%をまかなうことができるそうです。2007年の日本国内の航空燃料代は1兆円にのぼるので、それの10%というと1,000億円規模。

もしユーグレナで10%をまかなうことができれば、耕作放棄地の問題の軽減、そして温暖化防止の効果などを踏まえても、1,000億円以上の経済効果はあるのではないでしょうか。

もう1つは日本の周りにある海を使うという発想です。ただ、漁業権の問題があって難しい点もあるようですが、もし可能になればもっとユーグレナを培養することができるわけです。

日照時間が多い場所であれば大量培養に適する

日照時間が多い場所であれば大量培養に適する

ちなみに、現在石垣島でユーグレナを大量培養していますが、北海道でも条件が揃えば大量培養は可能なんだそうです。結局何が一番重要なのかというと「どれだけ日光が当たるのか」ということ。したがって、寒いとか暖かいということよりも、晴れる日が多いという点がポイントになってくるわけです。なので、先ほどの耕作放棄地を使うという場合も、気温はベースにないので、晴れる日が多い場所であれば十分可能ということになります。

ユーグレナによる経済効果

もし日本中にユーグレナの大量培養施設ができたら、その地域の経済の活性化につながる可能性は十分あります。施設では雇用がうまれ、他の地域から従業員(研究者)がくれば、定住人口や流入人口も増えるでしょう。そうなった場合、地域での消費活動が行われるので、必然的に地域経済は潤ってきます。

もちろん、バイオ燃料による1000億円規模の経済効果や食品として人の健康を支えるという点での経済効果もありますし、これは日本だけの話ではなくてグローバルな展開ができるはず。だとしたら、世界に与える経済効果は計り知れないのではないでしょうか。

5億年も前から存在する生き物に、これほどの力があるとは。可能性はどんどん広がります。

今回の取材では、出雲さんから新しい発想法を教えていただきました。きっと、これから私たちが生きていく中で必要になる考え方になると思うので、次回の記事「ミドリムシが地球を救う!?(5)引き算の発想編」で紹介します。

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