
育休中という限られた時間で、なぜハイリスクとされる「デイトレード」の世界へ踏み出したのか。元手240万円から4億円を築いた投資家・ちょる子さんの、常識破りの投資戦略に迫ります。
著書『ママ投資家が育休中に1億貯めた株式投資』(ちょる子著)では、株式投資で資産を増やすための具体的な戦略についてお伝えしています。
今回は本書から一部を抜粋。信用取引を活用して資金効率を極限まで高め、メンタルの安定と利益を両立させた驚きの手法を紹介します。
育休中に生まれた自由時間
2019年1月、私は第一子の産前休暇に入りました。それまで猛烈に働いてきた日々から一転、朝はゆっくりと起き、日々のニュースやバラエティ番組を眺めて過ごす……。
そんな静かな時間が流れる中、「休んでいる間も給料の3分の2が保障されるなんて、なんてありがたいんだろう」と心から感謝していました。
一方、この穏やかさは「嵐の前の静けさ」だと覚悟していました。
「産後は3時間おきに起こされる」「赤ちゃんの夜泣きでノイローゼ寸前」……。そんな諸先輩方の壮絶な体験談を聞き、戦々恐々としながら出産の日を迎えました。
ところが、生まれてきた長女は、そんな不安を良い意味で裏切る「超・のんびりした子」だったのです。
「こんなに育てやすい赤ちゃんがいるの!?」と驚くほど、長女はよく眠る子でした。生後1カ月で5時間以上まとめて眠り、日中もしっかりと昼寝をしてくれる。むしろ寝すぎて心配になり、授乳のために起こさなければならないほどでした。
この「予想外に生まれた自由時間」こそが、私の投資人生を劇的に進めることになります。娘がスヤスヤと眠っている間、私は相変わらずスマホで株価チャートと睨めっこしていました。
当時の世界経済は、まさに激動の渦中。
第1次トランプ政権の真っ只中で、トランプ大統領のツイート1つで米国の代表的な株価指数(NYダウ)が乱高下し、それに連動して日経平均株価も200~300円単位で動くのが当たり前の光景でした。
私が約2000万円を投じた東京エレクトロン株も、そんな荒波の中にいました。値動きの激しい「値がさ株」である東京エレクトロンは、1日でプラスマイナス500円、つまり1日1000円の値幅で株価が上下します。
そのダイナミックな動きを数カ月間、毎日観察し続けているうちに、私の中で1つの「もったいない! 」という感情が芽生えてきました。
「これだけ動くのなら、ただ持っているだけじゃなくて、この値幅をとることはできないだろうか?か?」
手元の約2000万円を使い、1株1万5000円の東京エレクトロン株を買うと、およそ1300株(単元未満を考慮せず)保有できます。
仮に、1日のうちに株価が1000円動いたとして、その値幅をきっちりとることができれば、計算上の利益は「1日で約130万円」。
「もし、この値動きを味方につけることができれば、とんでもないことになる」
もちろん、父の教えである「現物株は売らない」という信念は揺るぎませんでした。
そこで私は、長期保有の「守り」は現物株で維持しつつ、短期的な値幅を狙う「攻め」として、「信用取引」を用いたデイトレードの世界へ足を踏み入れる決意をしたのです。
信用取引を選んだ真の理由
ここで、まだ投資に馴染みのない方のために少し解説をさせてください。株式投資には、大きく分けて「現物取引」と「信用取引」の2つがあります。
- 現物取引:手持ちの現金の範囲内で株を売り買いする、最もシンプルな取引
- 信用取引:現金や株を担保に、証券会社からお金を借りて取引する仕組み。最大の特徴は、手持ち資金の最大約3.3倍まで売買できること(これを「レバレッジ」と呼びます)
投資家が信用取引を使う最大の理由は、資金効率の良さです。先ほどの「100万円の利益」の例でいえば、レバレッジをフルにかければ、同じ自己資金でも利益を3倍以上の約330万円にまで膨らませることも可能です(※金利などの諸経費を除く)。
しかし、私が信用取引を選んだ本当の理由は、レバレッジをかけたいからではありません。「長期の現物株」と「短期のデイトレ」を完全に別物として切り分けたかったからです。
実は、信用取引には、デイトレに欠かせない大きなメリットがあります。現物取引では、一度売買に使った資金を、同じ日のうちに同じ銘柄で再利用することはできません(これを差金決済の禁止といいます)。
守りと攻めの2つの財布
例えば、A株を買って売った後、その日のうちに「下がったからもう一度買い直そう」と思っても、別の資金がない限り注文すら出せなくなってしまいます。
目の前にチャンスがあるのに、資金が拘束されて指をくわえて見ているしかない……あるいは、現物株を売りたくても制限がかかって売れなくなってしまう。
デイトレにおいて、これほど恐ろしいリスクはありません。
しかし、信用取引なら同じ資金(担保)で、1日に何度でも同じ銘柄を回転(売買)させることができるのです。この「2つの財布」作戦は、私のメンタルに絶大な安定感をもたらしてくれました。
もしデイトレで思うような結果が出なくても、「私には配当金を生み続ける長期保有の現物株がある。長期で見れば東京エレクトロンは絶対に勝てる」という心の余裕を持てたのです。
この“守りの現物株”というバックボーンがあるからこそ、「攻めのデイトレ」で大胆に勝負できる。
こうして、赤ちゃんを抱っこしながらスマホを操作する、私の「爆益デイトレ生活」が本格的にスタートしました。
著者:ちょる子(兼業投資家)
2児のママ。父親の影響を受け、2011年に240万円から株主優待を目当てに株式投資をスタート。2019年、産休・育休をきっかけに、本格的に株式投資を開始し、大型株のデイトレードに挑戦。2021年に資産1億円達成。以降は短期投資と高配当株投資に移行。2026年には資産4億円を突破。現在は育児に加えてPRやIR関連の仕事も手掛けながら投資を続けている。Xでの飾らない発信と、時おり見せる「爆損芸」も人気を集める。ダイヤモンドZAI、日経マネー、田端大学投資学部、NewsPicks、ラジオNIKKEI、日経CNBC、日経モーニングプラス、マネーのまなび、投資戦略フェアなど出演・登壇多数。






