「しつけ」という名の暴力は絶対にダメ!
ガイド:日本では、毎年約50人もの子どもたちが親などからの暴力によって命を落としています。「子どもへの暴力はいけない、虐待だ」という認識は一般に広まってきたものの、この人数は何年もの間、ほとんど変わっていません。ジョーン・E・デュラントさん:50人……!(絶句)。こんなに豊かな国で年間に50人もの子どもが亡くなるなんて、ありえないことです。絶対に止めなければ。北欧では暴力によって亡くなる子どもが0になった国もあります。どの国でも、子どもへの虐待が起きるシチュエーションはよく似ています。若くて経済的に不安定な親が多いことなどはどの国でもみられること、社会が親に協力し、サポートしていく体制が必要なのですが、むしろ、親たちにプレッシャーを与えている場合も多いものです。
ガイド:日本でも、「子育て支援」という言葉はあるものの、周囲からの「いい親であるべき」「よい子に育てるべき」という見えない圧力は大きく、親は「いい親でありたい」「よい子に育てたい」というプレッシャーで苦しんでいます。それが子どもへの暴力につながることもあるように思います。
ジョーン・E・デュラントさん:暴力で子どもを教育することはできないということを、親は知るべきです。そして、虐待を受けて亡くなった子どもと、亡くなってはいないけれどもしつけの名目で叩かれている子どもとの間には、親の意図においてはあまり違いがないということも。亡くなった子どもの人数が何人かということが重要なのではなく、あらゆる暴力を排除することが必要です。それには、国のリーダーが子どもへの暴力を排除することの重要性を認識し、積極的に関わっていかなければなりません。子どもの権利を擁護するには、まず、親の心が健康でなければならないんです。