幼稚園/幼稚園関連情報

ポジティブなしつけを知っていますか?2(2ページ目)

「子育てに体罰は不要。子どもに信用され、親自身が成長するような前向きな子育てを」と主張する「ポジティブ・ディシプリン」。今回も著者のジョーン・E・デュラントさんへのインタビューです。

猪熊 弘子

執筆者:猪熊 弘子

子育てガイド

「しつけ」という名の暴力は絶対にダメ!

ガイド:日本では、毎年約50人もの子どもたちが親などからの暴力によって命を落としています。「子どもへの暴力はいけない、虐待だ」という認識は一般に広まってきたものの、この人数は何年もの間、ほとんど変わっていません。

ジョーン・E・デュラントさん:50人……!(絶句)。こんなに豊かな国で年間に50人もの子どもが亡くなるなんて、ありえないことです。絶対に止めなければ。北欧では暴力によって亡くなる子どもが0になった国もあります。どの国でも、子どもへの虐待が起きるシチュエーションはよく似ています。若くて経済的に不安定な親が多いことなどはどの国でもみられること、社会が親に協力し、サポートしていく体制が必要なのですが、むしろ、親たちにプレッシャーを与えている場合も多いものです。

ガイド:日本でも、「子育て支援」という言葉はあるものの、周囲からの「いい親であるべき」「よい子に育てるべき」という見えない圧力は大きく、親は「いい親でありたい」「よい子に育てたい」というプレッシャーで苦しんでいます。それが子どもへの暴力につながることもあるように思います。

ジョーン・E・デュラントさん:暴力で子どもを教育することはできないということを、親は知るべきです。そして、虐待を受けて亡くなった子どもと、亡くなってはいないけれどもしつけの名目で叩かれている子どもとの間には、親の意図においてはあまり違いがないということも。亡くなった子どもの人数が何人かということが重要なのではなく、あらゆる暴力を排除することが必要です。それには、国のリーダーが子どもへの暴力を排除することの重要性を認識し、積極的に関わっていかなければなりません。子どもの権利を擁護するには、まず、親の心が健康でなければならないんです。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます