「子育てに体罰は不要。子どもに信用され、親自身が成長するような前向きな子育てを」と主張する「ポジティブ・ディシプリン」。今回も著者のジョーン・E・デュラントさんへのインタビューです(第1回目は「『ポジティブなしつけ』を知っていますか?」)。

しつけの悩みは世界共通

しつけ
著/ジョーン・E・デュラント 監修/セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 訳/柳沢圭子 18歳までの長期的な観点で記してあるので長く読める。子どもとの関わりに悩んだときに、いつでも手に取れる場所に置いておきたい
ガイド:ポジティブ・ディシプリンの考え方、とても素晴らしいと思います。でも、これって欧米だからできることなんじゃないでしょうか? 日本では子どもを1人の人間として扱うという考え方が育っておらず、難しい気がするのですが……。

ジョーン・E・デュラントさん:アジアの国々の方とお話すると不思議と、みなさん同じことをおっしゃるんですよ。確かに子育ての文化はアジアと欧米では全く違うでしょう。子どもの寝かせ方ひとつにしても、別の部屋に寝る欧米と、一緒に寝るアジアとでは全く違いますよね。シチュエーションもルールもそれぞれ違っています。欧米でも、多くの国で子どもの権利に対する意識はまだまだ低いというのが現状です。

でも、国には関係なく、世界中のほとんどの親が「いい親になりたい」、そして「子どもの才能を最大限に開花したい」と願っていることは同じです。そして、子どもの成長過程はどの国の子どもでも同じ。ですからこの本ではそういった「文化」の違いについては、あえて全く触れていません。世界中どの国でも同じ、子どもの発達という面から、しつけについてとらえています。

ガイド:なるほど。だからこの本には、まず、各年齢ごとの子どもの発達について細かく記してあるんですね。

ジョーン・E・デュラントさん:年齢ごとに子どもがどのように発達していくのかを知ることは、しつけの上でもとても重要なことなのです。発達の仕方を理解していないと、子どもが何かしたときに親が「私を困らせるためにしているの?」と思ってしまうこともあるんです。たとえば、出かける時間になっても子どもは何一つ準備をしようとしない。あるいは、食器棚から食器を落として割ってしまった。そういったひとつひとつの行動は、親にとっては困ったことと思えるかもしれません。

しかし、そういった行動はすべて子どもの発達に基づいていることなんです。それがわかれば、カッとならず、「これは今のわが子に必要なことなんだ」と前向きに考えられるはずですよ。親が子に強制するのではなく、コミュニケーションできる基盤を作って、一緒に歩くことが大事。最終的には、子どもがいざ自分で決断したいと思ったときに、背中を押してくれる親がいて、子どもが安心・安全に暮らせるようにすることが目的なんです。