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幼稚園の「鼓笛隊」に賛成?反対?(2ページ目)

秋の発表会を目指して、幼稚園でそろそろ始まるのが「鼓笛隊」の練習。幼稚園によっては、先生も子どもも、そして親も必死になるものです。今回は「鼓笛隊の功罪」について考えてみました。

猪熊 弘子

猪熊 弘子

子育て ガイド

ジャーナリスト。名寄市立大学特命教授 (一社)子ども安全計画研究所代表理事。 保育・教育、子ども施策などを主なテーマに、執筆・翻訳、テレビ・ラジオ出演、講演を行なう。4人の子どもの母。著書多数。『死を招いた保育』(ひとなる書房)で第49回日本保育学会 日私幼賞・保育学文献賞受賞。

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みんなで一緒にやるプロセスが大事!

子供
上手にできることより、みんなで一緒にがんばるプロセスを重視して
子どもたちはとても素直です。最初は納得のいかない楽器だったかもしれないけれど、それでも自分に与えられた楽器を上手に演奏しようと、みんな必死で練習します。そのプロセスはきっと大切。子どもたちが大きな成長をするチャンスになります。

もちろん、なかなか上手にならないお子さんもいるでしょう。でも、「上手にできない」ことは、決して悪いことではありません。みんなでひとつのことを成功させようとがんばって練習する、そのプロセスが大事なんです。

最近では、成果主義が徹底していて、鼓笛隊も厳しくなるばかり、という話も聞きます。「○○ちゃんのせいで、演奏が台無し!」なんて陰口をたたかれるのはいや!と、先生も子どもも、親も必死で練習しますが、もしかすると、子どもたちにとっては負担になりすぎていることもあるかもしれません。子どもの様子や態度をよく見てあげて、何か負担になっていることがないか、気にかけてあげるべきでしょう。

子どもの心を傷つけないで

鼓笛隊のある園を選ぶかどうかは、親の趣味次第でしょう。親自身が幼稚園の時に鼓笛隊を経験していて、そのときの感動や興奮が忘れられないから、自分の子どもにも……と考える人もいるかもしれません。

でも、ベテランの幼稚園の園長先生の中には「鼓笛は子どもの敵!」と言い切る先生もいらっしゃいます。自由に遊びたい年頃の園児たちを厳しく指導することは、決していいことではない、と言います。また、どうしても上手に演奏できない子がいて、「発表会の時に、太鼓に綿がつめられていた」とか「笛の孔に粘土をつめられていた」…なんていう笑えない話も耳にします。

一糸乱れぬ素晴らしい演奏をしたとしても、それが子どもの心を踏みにじったものの上に成り立っていたのだとしたら、意味がないと思いませんか?

演奏が上手にできるかどうかよりも、子どもたちの成長にとって、よりよいものになるかどうかを、親も冷静に考えてみるべきかもしれません。

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