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不況に打ち勝つ家計術、家計の「5S」

ものづくり大国ニッポンを支えてきた現場の改善活動「5S(ゴエス)」。家計に「5S」の視点を取り入れたらどうなる? 不況に打ち勝つ家計術として、家計の「5S」を紹介します。

平野 泰嗣

執筆者:平野 泰嗣

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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先の見えない将来、家計管理も今のままで大丈夫かしら……

先の見えない将来、家計管理も今のままで大丈夫かしら……

皆さんは「5S(ゴエス)」という言葉を聞いたことがありますか? 製造業などに勤めている人であれば、すぐに工場の改善運動を思い浮かべるかもしれません。「5S」とは、整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)の5つの頭文字を取ったものです。整理・整頓と言えば、小学校の標語みたいで子どもっぽいと思われるかもしれません。けれども、5Sは昔も今も変わらず、日本の製造現場を変革・改善するための手法として根付いています。

先行きの見えないこれからの世の中を、豊かに暮らしていくためには家計も変革・改善が必要です。そこで今回は、製造現場の変革・改善の手法「5S」の視点で家計を見直す方法を紹介します。

【記事のインデックス】
不況に打ち勝つ、家計の5Sとは?……1P目
家計の5S「清潔」「躾」って何?……2P目
家計の5Sの究極の目的は?……3P目


家計の「5S」とは?

「5S」は、職場環境の改善活動として、整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)の5つの頭文字を取ったものと書きました。5Sにおける整理・整頓・清掃・清潔・躾は、単純に「整理する」、「整頓する」、「清掃する」という言葉通りの意味だけではありませんので、正しく理解する必要があります。

■整理(Seiri)
5Sの整理とは、「要るモノと要らないモノを明確に分け、要らないモノを捨てる」ことをいいます。家計に当てはめると、「必要な支出とムダな支出を分け、ムダな支出をやめる」ことです。必要な支出とムダな支出を区分するには、支出項目の洗い出しが必要です。家計の支出の多くは、口座引き落としか、カード明細に載ってくるので、現金で払っているものに着目すれば、1ヵ月の支出項目を大まかに把握することができるでしょう。

そして、整理のポイントは、「要らないモノを捨てる」つまり、「ムダな支出をやめる」です。ムダな出費とわかっていても、なかなかやめられないという方が多くいらっしゃいます。そんな方は、少しずつなくして行こうと思わずに、思い切って一度にやってしまう方が踏ん切りがつきます。結婚している人は、夫婦でお互いのムダな出費を見つけて、2人のムダな支出を一気になくしてしまいましょう。
【関連コラム】夫婦ゲンカをせずに家計の「事業仕分け」をするには?

■整頓(Seiton)
整頓とは、「要るモノを使いやすいようにキチンと置き、誰でもわかるようにする」ことをいいます。家計に当てはめると、「支出項目をどの口座から出費するのか決め、また、どの位使っているのかわかるようにする」ことです。支出の度にいろんな口座から出費していたのでは、管理も大変だし、いくら使ったかもわからなくなってしまいます。共働きの場合、生活費などの支出項目の分担方法を決め、支出した金額をキチンと記録します。つまり、家計を「見える化」することです。
【関連コラム】共働き夫婦の生活費の分担、どうしている?家計の「見える化」で、安心マネープラン

■清掃(Seiso)
清掃とは、「常に掃除をし、きれいにする」ことをいいます。家計に当てはめると、「常に家計の支出をチェックし、ムダな出費をなくす」ことです。世の中は、便利なものやサービスがいっぱい溢れています。その中で生活をしていると自然と消費体質になってしまうのは仕方のないことです。もちろん全てがムダというわけではなく、出費するときに改めて、「必要なものか、単に欲しいものなのか?」、ニーズとウォンツを問いかけて、ムダな出費をなくす努力をすることが大切です。
【関連コラム】家計の見直しの4つの着眼点「ECRS」とは?

>>続いて、家計の5S「清潔」「躾」って何?

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