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子供が生まれると税金いくら戻ってくるの? 所得控除と税額控除(2ページ目)

「生命保険料10万円超はらうと、税金が5万円戻ってくるはずでは?」これはハッキリ言って誤解です。所得税の仕組みをわかりやすく解説してみました。

田中 卓也

執筆者:田中 卓也

税金ガイド

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事例でみてみましょう。
私はサラリーマンです。年収は額面で600万円です。
昨年年末に子供ができたため確定申告をして税金を取り戻そうと考えています。
妻は昨年身重で無収入でした。
いくらぐらい戻ってきますか?


といったものです。

給与所得者の場合、給与所得控除額といってサラリーマンの必要経費は法定されています。
額面が600万円の場合、所得金額(給与所得控除後の金額)は426万円となります。
その他の詳細なデータはかりませんが、少なくとも妻は無収入であることから配偶者控除38・万円配偶者特別控除38万円・基礎控除38万円といった所得控除を差し引くと課税所得金額(税率の係る金額)は312万円となり、税率は10%となります。
結果年税額は312万円×10%=312000円となりますね。

では年末に子供が生まれた場合の税額はどうなるのでしょうか?
子供が生まれると扶養控除といって上記からさらに38万円所得控除の額が増えるので、課税所得金額は312万円ー38万円=274万円。
結果年税額は274万円×10%=274000円となります。

もうみなさんお気づきかと思うのですが税額の還付額はいくらになりましたか?
38000円ですよね。
(現行税制では定率減税という措置があるので、実際は3万円チョットの還付となりますが)

つまり所得控除といわれるこれらのものは、税額からダイレクトに控除できるわけではありません。課税所得といって税額がかかる金額はこれらを控除した残りの金額となるので、たとえば税率が10%の区分の人であれば生命保険料10万円超払っていても還付税額は
5000円となります。

ですので、以下のようなことも全て誤解です。

「無収入の妻と入籍すると税額が76万円安くなる」
「子供ひとりにつき税額が38万円安くなる」

このように覚えていた方、仕組みを理解し、知識をリニューアルしてくださいね。
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