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JR西日本事故の今後を追え~第3弾~ JR西日本事故と退職金

JR福知山線事故から1ヶ月が経過しました。JRのトップスリーが辞任する意向との報道ですが、退職金の取扱いはどうなるのでしょうか?判例等で検証してます。

田中 卓也

執筆者:田中 卓也

税金ガイド

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JRトップスリーに退職金は支給されるのでしょうか

JR福知山線事故からちょうど1ヶ月が経過しましたね。
この事故に関連して、JR西日本のトップスリー、つまり、井出取締役相談役、南谷会長と垣内社長は、引責辞任する意向を固めた、との報道もなされています。

しかし、ここで疑問を持った方も多いのではないでしょうか?
「エ、辞任なの。解任ではないの。それだったら退職金が支給されてしまうの?」といった疑問です。
もちろん、ご遺族や関係者のお気持ちとしては「そんなもん、もし受け取ったとしても返上するのが当たり前やろ」というのが正直なところなのではないでしょうか。

では、過去の判例などから退職金の支給がどのように扱われているのかを支給要件や税務上の要件から検証してみました。

横領が発覚した場合でも退職金って支給されるの?


たとえば、下記のような事例です。
Q 私の知り合いが長年勤めていた会社のお金を着服して、懲戒解雇になってしまいました。このような場合には、退職金は支給されないのですか?
といったような事例です。

退職金はどのような企業でも必ず支払わなければいけないものではなく、退職金制度のある会社ではその支給要件を就業規則や退職金規定に明記してあるものです。
逆に、その就業規則や退職金規定に今回のように懲戒解雇に伴う場合の退職金の一部未払いや全部未払いを明記してないと、労働契約とはなりません。

では、上記のような懲戒解雇の場合において就業規則や退職金規定に退職金の全額未払いが規定されていれば、どんな場合でも有効なのでしょうか。
判例上は個別具体的な解釈がされています。
昭和47年の名古屋地裁の判決では「退職金については、これまでの勤務に対しての後払い的な性格も有しており、退職金不支給規定を適用できるのは、労働者の永年の勤続の功を減殺ないし抹消する程の不信行為があった場合に限定される」としています。
今回のケースでいえば、経営トップの管理責任が永年の勤続の功を減殺ないし抹消する程の不信行為であったかどうかということになるわけです。

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