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裁判員制度にまつわる税務(3ページ目)

裁判員等に選任されると、裁判員の参加する刑事裁判に関する規則により、旅費、日当及び宿泊料が支給されます。しかし、裁判員候補者、ただちに裁判員ということではありません。そのあたりから解説してみました

田中 卓也

執筆者:田中 卓也

税金ガイド

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非課税ではないということは・・・

確定申告の対象になるケース?ならないケースとは
雑所得の総収入金額と必要経費にカウントするということは、非課税ではないので、原則、確定申告の対象となります。したがって、裁判員として選任されると出頭の義務に応じ、審理の職務に応じ、さらに確定申告の対象者になるということです。

裁判員に選任されると確定申告の義務も生じるの??


しかし、雑所得の取扱いになったからといってすべてがすべて確定申告の対象者になるということではありません。
給与所得者には宥恕規定(ひらたくいえば大目に見るということ)があり、その内容の趣旨は、
・ 給与所得者、退職所得者で(⇒前提条件)
・ 給与所得、退職所得以外の所得が(⇒所得の区分の要件)
・ 年間20万円以下であった者については(⇒所得金額の要件)
・ 確定申告しなくてもいい
とするものです。

つまり、
・ サラリーマンが裁判員等に選任され(⇒前提条件)
・ 裁判所から受け取る日当の合計と選任者が実際に負担する旅費及び宿泊料との差額が(⇒所得であって、収入額ではない)
・ 年間20万円以下であった者については(⇒所得金額の要件)
・ 確定申告しなくてもいい
ということです。

「オイシイとこだけ」はできない宥恕規定


しかし、この宥恕規定にも注意点はあります。平たく言ってしまえば「オイシイとこだけ」はできないということです。たとえば、裁判員に選任されたサラリーマンが医療費控除を受けたいとか住宅ローン控除を受けたいなどの理由により、確定申告の提出の意向があるとします。そのような場合、医療費控除や住宅ローン控除は申告書に記載するが、上記の裁判員等に支給される旅費、日当及び宿泊料は、申告内容から省きたいというようなことはNGだということです。

申告漏れとなるケースとは


「他に確定申告を提出しなければならない(あるいはしたほうがいい)事由があり、確定申告書を提出するのであれば、他の所得も漏れなく申告してね」というのが、この宥恕規定の取扱いのポイントです。

したがって、フリーランサーや自営業者、賃貸マンションやアパートのオーナーなど毎年毎年、確定申告書を提出している人が、裁判員等に支給される旅費、日当及び宿泊料は、申告内容から省いた場合には、単純に、申告漏れとなってしまうので注意してください。
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