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エコ住宅を建てると住宅ローン金利が優遇?

太陽光発電の家やオール電化住宅の普及を後押しするように住宅ローンの金利を優遇する金融機関が現れました。住宅設備と住宅ローン、住宅メーカーと住宅ローンの関係を調べました。

大沼 恵美子

執筆者:大沼 恵美子

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一定の条件を満たす太陽光発電システムを搭載した住宅を建てる時には、国や自治体から補助金、住宅金融公庫では割増融資という優遇措置を受けることができます。そして2004年4月に住友信託銀行が「太陽光発電システムを設置した住宅には住宅ローン金利を優遇する」という新発想の住宅ローン優遇策を発表しました。これは今のところ積水化学工業が扱う省エネ型戸建て住宅を対象にしています。

太陽光発電システムを搭載した住宅は、積水化学工業はじめ大和ハウス、積水ハウス、旭化成、パナホームなど大手住宅メーカーが主に取り扱っています。太陽光発電と住宅メーカー、大手住宅メーカーと住宅ローンの関係を調べてみました。


優遇後の金利は長期固定金利型住宅ローンと同程度

住友信託銀行が取扱を開始した住宅ローン優遇策は、「3キロワット以下の太陽光発電設備を搭載する場合は、期間20年または30年の長期固定ローンの金利を店頭金利から1.7%優遇し、更に発電量が1キロワット増える毎に0.05%ずつ(最大1.85%まで)優遇する」というもので、対象は積水化学工業の太陽光発電の家です。

2004年5月の20年固定金利は4.95%、30年固定金利は5.0%が提示されています。「5キロワットの発電設備を設置した家を建てるために借入期間30年、借入額2000万円」で住宅ローンを組んだと想定すると、借入金利は3.2%(1.8%を優遇)となり、返済総額は約750万円少なくなることになります。

しかし、この3.2%という優遇金利は、他金融機関の35年長期固定金利型住宅ローンの金利と同程度の金利なのです。ということは、住友信託銀行は、太陽光発電の家については35年長期固定金利型住宅ローンと同程度の金利を提示しているということです。


オール電化住宅に最大0.7%金利優遇

2004年5月、八千代銀行は東電と組んで、オール電化住宅に対して住宅ローン金利を優遇することにしました。優遇する金利は、固定金利型では最大0.2%、変動金利型で最大0.7%。35年長期固定型住宅ローンの場合では、優遇後の金利は3.0%(2004年5月現在)となります。

2004年5月の長期固定金利型住宅ローンの金利は、大分県信用組合と函館信用金庫の2.97%が最低で、3.0%はそれに次ぐ低金利です。


大手ハウスメーカーは独自の住宅ローン

「こんなに金利に差があるなんて!」で取り上げた日本住宅ローンは、日立キャピタルと積水ハウス・大和ハウス・住友林業・積水化学工業が出資して設立した長期固定型金利型住宅ローンを取り扱う住宅ローン会社です。

積水ハウスや大和ハウス、住友林業、積水化学工業が取り扱う住宅を購入(建設)する場合、この住宅ローンを利用することが可能です。民間金融機関と比較するとかなり低く設定されており、2004年5月の金利は3.03%となっています。

一方旭化成は、2004年4月ヘーベルハウスを購入(建設)する人を対象に、長期固定金利型住宅ローンを取り扱う会社を設立しました。取扱開始は10月の予定です。金利はまだ分かりませんが住宅メーカー間の厳しい競争もあり、日本住宅ローンと同じように低い金利が提示される可能性も期待できます。


地球温暖化対策の一つとして注目されている太陽光発電システムですが、普及のスピードはまだまだカメの歩みです。原因の一つにイニシャルコストが高いことが上げられます。住宅メーカーと金融機関がタイアップした低金利の住宅ローンは、太陽光発電パネルの屋根が増えるきっかけになることでしょう。

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