年金に対して関心が高まっています。最近の関心は「加給年金」に移ったのでしょうか、年金制度のモデル夫婦でない夫婦、例えば「妻が年上」「夫は主夫で妻の扶養家族」、から加給年金について質問を受けることが増えました。


【質問】
妻(昭和26年3月生まれ)会社員(厚生年金加入歴30年)
夫(昭和23年2月生まれ)自営業(厚生年金加入歴15年 現在は妻の扶養家族)

妻が厚生年金を受給する時、扶養している夫に対して加給年金は支給されるのでしょうか? また振替加算はどうなるのでしょうか?


加給年金

加給年金は、「厚生年金に20年以上加入期間のある人が、老齢厚生年金の受給権を取得した時、その人が扶養している65歳未満の配偶者や子供がいる場合に、年金受給者の定額部分に加算・支給されるもの」です。
従って、このケースでは、加給年金は厚生年金に30年間加入している妻が厚生年金の定額部分を受給する時に上乗せ支給されるということになります。


【加給年金の支給条件】
・配偶者は65歳未満、子供は18歳(障害者は20歳)になって最初の3月31日までの間
・配偶者や子供それぞれの年収が850万円未満であること
・配偶者の厚生年金加入期間が20年未満であること
*配偶者の加給年金には特別加算がある。

加給年金は、上記の条件を満たす厚生年金受給者に対して支給されます。従って支給される加給年金額は受給者の生年月日によって決まります。

しかし、配偶者が65歳になると配偶者に対する「加給年金(特別加算を含む)」は支給がストップされます。そして「振替加算」と言う名称にかわって配偶者が受給する年金に加算・支給されるのです。振替加算額は、配偶者の生年月日によって決まります。ですから、加給年金額と振替加算額は違います。


このケース(昭和26年3月生まれの女性)では
妻の年齢60歳61歳62歳63歳64歳65歳66歳……
老齢厚生年金の報酬比例部分……
老齢厚生年金の定額部分 ……
加給年金 ……
*○=年金が支給される


となります。

次ぎに夫が加給年金の支給条件を満たしているかどうかをチェックしましょう。
夫の厚生年金加入期間は15年(=20年未満)です。厚生年金加入期間は条件クリアーです。では年齢はどうでしょう。
妻が老齢厚生年金の定額部分を受給開始する63歳の時、夫は66歳です。ということは、加給年金の支給条件「配偶者は65歳未満」を満たしていません。従って妻に対して加給年金は支給されないことになります。


加給年金は配偶者が65歳になると振替加算という名称で配偶者の年金に加算・支給されます。従って、妻が老齢厚生年金の定額部分を受給開始する時点から、夫は受給している年金に振替加算額が加算・支給されることになります。夫の受給年金額がアップするということです。

ポイントは、「加給年金が支給されることになった時、振替加算も支給される権利が発生する」ということです。年上の妻を持つケースも同じように考えると理解できますね。


年金制度は改正を重ねるごとに複雑怪奇になっています。受給年齢に近くなったら、社会保険労務士やファイナンシャル・プランナー(FP)、年金アドバイザーなど年金に詳しい人に、夫婦一緒に60~70歳くらいまでの間に起きる年金額の増減と時期をしっかり確かめておきましょう。そうすることで老後設計がたてやすくなるのではないでしょうか。


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