ボーナスから天引きされる税金は、前月の給与により率が異なる?

賞与から差し引かれる所得税等の計算方法は複雑です。(詳細は、ボーナスにかかる税金と手取りの計算方法 にて確認して下さい)ボーナスから差し引かれる所得税等の計算は、賞与の額に一定の率を掛けて計算します。その率は、前月の給与により異なることになります。つまり、同じ賞与の金額であっても、人により、差し引かれる所得税等が異なるのです。

 
同じ金額のボーナスでも人によって引かれるお金は異なる

同じ金額のボーナスでも人によって引かれるお金は異なる

 

給与等年収540万円、所得控除は、社会保険料控除(給与等の15%)、配偶者控除38万円、基礎控除38万円の場合の計算

前提条件として、いずれのケースにおいても、給与等年収は540万円、所得控除は、社会保険料控除(給与等の15%)、配偶者控除38万円、基礎控除38万円のみとします。
 
ケース1
前月の給与:35万円  給与の社会保険料 5万2500円 差引29万7500円。
⇒賞与の税率 6.126%
(賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(平成31年分)より/以下同様)
賞与額:60万円  賞与の社会保険料9万円 差引 51万円
所得税等額=51万円 × 6.126% =31,242円
 
ケース2
前月の給与:20万円  給与の社会保険料 3万円 差引17万円。
⇒賞与の税率 2.042%
賞与額:60万円  賞与の社会保険料9万円 差引 51万円
所得税等額=51万円 × 2.042% =10,414円
 
同じ賞与60万円のケースであっても、前月の給与が35万円のケース1では、31,242円、20万円のケースでは、10,414円となります。差額は20,828円。年2回の賞与だとすると、41,656円の差になります。
 

ボーナスから引かれる税金が高すぎたり・安すぎたりしても、年末調整により精算されます

人により異なるということは、同じ給与等年収(年間給与・賞与収入)であっても、賞与の所得税等は異なることを意味します。でも、安心して下さい。給与や賞与の支給時に差し引かれた所得税等は、年末調整により精算されますので、原則として、給与等年収が同じで、所得控除などの他の条件も同じ場合には、所得税等の金額も同じです。
 

年収540万円の人のボーナスから引かれる税金、3つのケース

※前提条件は上記の試算と同じとします。

ケース3:給与等年収:(給与35万円×12カ月+賞与60万円×年2回)=540万円
毎月の給与:35万円  給与の社会保険料 5.25万円 差引29万7500円
給与所得税等 6,640円/月 ⇒ 79,680円/年
(給与所得の源泉徴収税額表(平成31年分)より/以下同様)
⇒賞与の税率 6.126%
賞与額:60万円  賞与の社会保険料9万円 差引 51万円
所得税等額=51万円 × 6.126% =31,242円
 
所得税等合計:(6,640円×12カ月+31,242円×年2回)=142,164円
 
ケース4:給与等年収:(給与20万円×12カ月+賞与150万円×年2回)=540万円
毎月の給与:20万円  給与の社会保険料 3万円 差引17万円
給与所得税等 2,070円/月 ⇒24,840円/年
⇒賞与の税率 2.042% 
賞与額:150万円  賞与の社会保険料22万5000円 差引 127万5000円
所得税等額=127万5000円 × 2.042% =26,035円
 
所得税等合計:(2,070円×12カ月+26,035円×年2回)=76,910円

※ケース3よりもケース4の方が65,254円少ないことになります。
 
ケース5:給与等年収:(給与45万円×12カ月+賞与0万円)=540万円
毎月の給与:45万円  給与の社会保険料 6万7500円 差引38万25000円
給与所得税等 11,800円/月 ⇒141,600円/年
賞与なし
 
所得税等合計:(11,800円×12カ月)=141,600円
 

それぞれの所得税等合計はいくら?

ケース3は、 142,164円
ケース4は、  76,910円
ケース5は、 141,600円
です。
 

では、年末調整後の年税額は?

給与等年収540万円で、上記前提条件での年税額は、

給与所得控除後の給与等の金額 378万円 - (社会保険料控除81万円(540万円×15%)、配偶者控除 38万円、基礎控除 38万円=157万円)
=課税される所得金額 (221万円 ×税率10% - 97,500円)×1.021(復興特別所得税) 
年税額 126,000円(端数処理後)
 

ケースごとの年末調整過不足は?

ケース3は、 16,164円 (142,164円 - 126,000円)の還付。
ケース4は、△49,090円 (126,000円 -  76,910円)の不足。(追加徴収)
ケース3は、 15,600円 (141,600円 - 126,000円)の還付。
ということになります。
 
ケース4が一番差し引かれた金額が少なかったため、結果的に年末調整時に5万円近くの追加徴収をされてしまうことになります。
 
毎月の給与の額(例:20万円)と比較して、賞与が多い(例:150万円)場合には、差し引かれている所得税等額が不足する可能性が高くなりますので、年末調整時に追加徴収されてもあわてないように、賞与の時に蓄えておくなどの準備が必要です。

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