遺族補償の柱、遺族年金(自営業者編)

izoku230624

公的年金上の「子」は高校卒業まで

遺族のためのお金の準備というと生命保険を浮かべる方が多いと思います。しかし遺族の生活保障の重要な役割となるのは、何といっても公的年金から支給される遺族年金です。

この遺族年金は職業や家族構成によって支給される額はかなり変わってきます。

その中で自営業者に対する遺族年金は、会社員に対する遺族年金に比べて非常に心もとない金額となっています。この実態をケーススタディー形式で検証してみたいと思います。

〔ケーススタディー〕
自営業者のAさん(49歳)は、妻(47歳)、長男(20歳)との3人家族です。ご夫婦は28歳の時に結婚し、今年で結婚21年目になります。奥さんはAさんの仕事の手伝いをしています。長男は今大学2年生で、家族全員障害等はありません。

年金については、会社員ではないため厚生年金には加入していませんが、Aさんも奥さんも国民年金に加入し、保険料はしっかり納付しています。Aさんは大学卒業後すぐに、家業を手伝うようになったため、会社員の期間はなく、20歳からずっと国民年金だけに加入し、29年間(348月間)滞納はありません。

遺族年金が全く出ない!?

遺族に対する公的年金として代表的なものといえば、以下の2つです。
  • 厚生年金から支給される遺族厚生年金
  • 国民年金から支給される遺族基礎年金
このケーススタディーのAさん一家で、万が一、Aさんが死亡した場合、公的年金から遺族に対する給付がいくら出るのか考えてみます。

まず、Aさんが厚生年金に加入していないので、当然ながら遺族厚生年金は出ません。これは仕方がないところです。しかし、Aさんは国民年金には加入して保険料もしっかり払っているので、遺族基礎年金はちゃんと貰えるはず!

と普通考えるのですが、そう簡単に話は進みません。

遺族基礎年金を貰える遺族は、「子のある妻」または「子」に限定されています。この言葉だけで判断すると、Aさんの妻、長男は遺族年金を受け取れそうなのですが、年金法では「子」の定義が18歳の年度末までとなっているため、20歳の長男は年金法上の「子」に該当しないことになります。

したがって長男はもちろんのこと、奥さんも年金法上の「子」がいないので、支給対象となる遺族とはなりません。