国民年金の任意加入制度、その費用対効果を検証

任意加入のお得度は年々減少?

任意加入のお得度は年々減少?

さて、国民年金に任意加入する前に、「保険料を払うコスト」と「年金額が増える効果」、いわゆる費用対効果を検証する必要があります。

現在年金額は77万2800円で、これは40年間(480月)保険料を納めることで満たされますので、77万2800円を480月で割ると1カ月納付当たりの年金額がわかります。

77万2800円÷480月=1610円

大雑把にいうと、「保険料を1カ月納付すれば年金が1610円増える」と言えます。

1カ月の保険料が1万5250円(平成26年度)ですから、1万5250円払うことで1610円年金額が増えることになります。一見、「たったそれだけなの?」とがっかりしたかもしれませんが、1610円と言っても、生涯受け取れるわけですから、いずれ元がとれます。

1万5250円÷1610円=約9.5年

今後も保険料と年金額が変わらないという仮定ではありますが、約9年半で元が取れるという計算です。65歳から9年半後の74歳で元が取れるわけですから、平均寿命まで生きる(受け取れる)とするなら悪い投資ではないと言えます。

カラ期間や免除期間が長い場合は、費用対効果の確認を

先ほども書いたとおり、老齢基礎年金は25年納付、免除、カラ期間で満たさなければ1円も支給されません(注:10年に短縮予定あり)。仮に25年間が全て、保険料を納付した期間ならば、次の年金額が支給されます。

77万2800円×300/480=約48万円

これを80歳まで(15年間)受け取るとすると、大雑把な計算ですが、次の金額となります。

48万円×15年=720万円

25年に少し足らないという状況なら、是非とも25年を達成するために任意加入をすべきと言えます。

ただし、カラ期間や免除期間が多い場合は注意が必要です。カラ期間は25年を満たすために作られた一種の救済制度で、その期間は年金額には反映されません。また免除期間は保険料を納付した期間よりも年金額が少なくなります。

ですから、カラ期間や免除期間が長く、しかも受給権獲得のため長期間任意加入をしなければならない場合は、年金事務所等で費用対効果をしっかり確認する必要があります。

また、年金は受給権を獲得してからしか受け取れません。受給権を獲得できたのが70歳なら、70歳からしか年金を受け取れないことになります。

任意加入制度の基本的な考え方と注意点を確認

結論として、以下の2つのことが言えます。

●60歳時点で、年金受給権がない場合
60歳時点で、まだ老齢基礎年金の受給権がない場合で、任意加入することで受給権が満たせるなら、基本的に任意加入をするのが良いでしょう。ただし、受給権を満たすまで長期間任意加入しなければならない場合は、費用対効果を確認しましょう。

●受給権はあるが、年金が満額ではない場合

増額のための任意加入については、9.5年で元が取れるということなので、長生きすればするほど費用対効果は高くなります。現在の平均寿命からすると、男性よりも女性のほうがお得でしょうか。60歳以降も何か積み立てをしたいと考えるなら、任意加入を積み立てと考えても良いかもしれません。

ただし今後、毎年保険料は約280円づつアップし続け、平成29年以降は毎月1万6900円となり、固定される予定です。平成29年以降でいうと、年金額が大きく変わらないなら元を取るのに10年以上かかることになってしまいます。年金額が変わらず、平均寿命も変わらないなら、増額のための任意加入は残念ながらお得度は段々少なくなります。

また、受給権獲得のための任意加入は最長でも10年です。10年任意加入しても受給権が獲得できなければ、任意加入する意味がありません。受給権獲得のための任意加入をする際には年金事務所で、そもそも任意加入をすることで受給権を獲得できるのかどうか、受給権がいずれ10年になることも含めて確認していただきたいと思います。

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