年金/専業主婦の年金(第三号被保険者)

年金制度は子育て女性に優しい!?(2ページ目)

国は年金制度維持のために、出産育児をする女性従業員に働き続けてほしいと考えています。そのため育児休業期間中の厚生年金について保険料免除をする制度を用意しています。

和田 雅彦

執筆者:和田 雅彦

年金ガイド

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保険料は免除だが、年金計算では納付したことにしてくれる「優遇措置」

国は今後も妊娠・出産を支援する制度を拡充するはず

国は今後も妊娠・出産を支援する制度を拡充するはず

会社員が育児休業を取得した場合、給料が休業前より低額ないしはなくなるのに高額の保険料を負担しなければならない問題を改善するため、育児休業期間中の保険料について最大子供が3歳まで免除しています。保険料を負担するのは本人と会社が折半しているわけですが、本人の負担部分だけでなく、会社の負担部分も免除されます。

この保険料免除は厚生年金だけではなく、健康保険の保険料も免除されます。

この育児休業期間中の保険料免除措置ですが、保険料を免除するだけでなく更なる優遇措置が隠されているのです。

それは、「保険料を免除されても、年金の計算上保険料を“払ったこと”にしてもらえること」なのです。老後の年金は、保険料を払う期間が長ければ長いほど受取額が増える仕組みとなっていますので、厳しい財政の中まさに「大盤振る舞い」ですね。

いずれにしても、この優遇措置には出産を機に辞めるのではなく、出産後も働き続けてほしいという国のメッセージがこめられていることは間違いないでしょう。

優遇措置がさらに拡充

さて、育児休業期間中については優遇措置があるわけですが、出産の前後(産前産後休暇期間)については、現状(平成25年)は保険料を負担する必要があります。

この産前産後休業期間(産前6週、産後8週)についても、平成26年4月から保険料免除されることになりました。保険料免除に加え、育児休業期間中と同じく「年金の計算上、保険料を払ったことにしてくれる」優遇措置もあります。

尚、保険料の免除には、手続きが必要です。会社を通じて行うことになりますが、忘れずに手続きしたいですね。

出生率上昇には更なる努力が必要

育児休業は法律で規定されているものであり、労働者の権利なわけですが、会社によって育児休業が取りにくい場合もあります。いくら制度が拡充されても育児休業自体取れなければ意味がありません。また、厚生年金に加入していない自営業者等はこの優遇措置を受けることはできません。

国が願う出生率上昇には、年金制度上の優遇措置だけでは足らないと言えるでしょう。年金制度以外にもさまざまな角度からの子育て支援措置の拡充が求められます。それに加え「働き続けること」と「子供を生み育てること」の両立について、社会全体の理解も必要でしょう。

出生率の上昇は年金制度だけの問題じゃない国の存亡にかかわる重大なテーマですから、社会全体で取り組んでいかなければならないですね。


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