年金

最大42万円の加給年金をもらい損ねない「繰下げ受給」の受け取り方【2026年】

年金の受給開始を遅らせることで、毎月の年金額を増やすことのできる「繰下げ受給」。上手な受け取り方について、経済ジャーナリストでAll Aboutマネーガイドの酒井富士子さんに教えてもらいました。※サムネイル画像:PIXTA

酒井 富士子

酒井 富士子

60代の得する働き方 ガイド

ファイナンシャル・プランニング技能士

経済ジャーナリスト。株式会社回遊舎 代表取締役。上智大学新聞学科卒業後、日経ホーム出版社に入社。「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長歴任後、リクルートに入社。「赤すぐ」(赤ちゃんのためにすぐ使う本)副編集長を経て、2003年から現職。近著に『60代の得する「働き方」ガイド』がある。

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年金の受給開始を遅らせることで、毎月の年金額を増やすことのできる「繰下げ受給」将来もらえる年金をできるだけ多く増やしたいと考えたとき、この制度をどのように活用するのがよいのでしょうか。

上手な受け取り方について、経済ジャーナリストでAll Aboutマネーガイドの酒井富士子さんに教えてもらいました。

年金の「繰下げ受給」をおさらい

年金をできるだけ多く受け取りたい場合に、年金の「繰下げ受給」という選択肢があります。65歳から受け取れる年金の受給を遅らせることで、1カ月ごとに0.7%ずつ、1回当たりに受け取れる年金額が増えていく仕組みです。

最大で75歳まで繰下げることができ、その場合の増額率は最大84%(昭和27年4月1日以前生まれの方は最大70歳、増額率は最大42%)になります。

さらに、厚生年金を受給する人は「基礎年金」と「厚生年金」を別々に繰下げるといった選択も可能です。

ここで多くの人が考えるのが、「基礎年金」と「厚生年金」を両方とも上限まで繰下げて、毎月の年金額をできるだけ多くしようというものです。しかし、これは誰にでも正しい選択になるとはいえません。

加給年金をもらえなくなる可能性?

例えば、厚生年金に20年以上加入している方に、年下の配偶者がいる場合、「加給年金」という上乗せを受け取ることができます。

加給年金とは、厚生年金の受給が始まる際、配偶者が65歳になるまでの間、年金にプラスして支給されるものです。これは、年間約40万円(※特別加算を含む)にものぼります。決して小さい金額ではありません。

もし、厚生年金を繰下げてしまうと、その期間中はこの加給年金を受け取ることができません。後からさかのぼってもらうこともできず、そのまま消滅してしまいます。

特に配偶者との年齢差が大きい夫婦ほど、受け取り損ねてしまう総額が大きくなるので注意したいところです。

受け取り時期をズラすのがおすすめ

では、どうすればいいのでしょうか。前述のとおり、「基礎年金」と「厚生年金」は受給開始のタイミングを別々に選択することができます。

つまり、年下の配偶者がいる場合の選択としては

  • 厚生年金は65歳から受給して、「加給年金」を確実に受け取る
  • 基礎年金だけを繰下げて、将来の毎月の受取額を増やす

という方法が有効な選択肢となります。

もし、ご自身にとってどの組み合わせがベストなのか迷った場合は、年金事務所に相談してみるのがおすすめです。家族構成やこれまでの加入状況を踏まえた上で、最適な受け取り方を丁寧にアドバイスしてもらえますよ。

目先の増額率だけで判断せず、自分のライフプランに合った方法をじっくり確認することが大切です。

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