救済策の「請求」の意味とは

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老齢基礎年金を繰上げ受給すると、この事故重症制度は使えなくなる
事後に悪化した場合の救済策の中身を見てみたいと思います。この制度は「事後重症制度」といい、障害認定日に一定の障害の状態でなく、「不支給」の決定を受けても、その後65歳までに症状が悪化し、一定の障害等級に該当した場合は、障害年金を「請求」できることになっています。

ここでの注意点は、あくまで「請求」ができるのであって、「支給」されるわけではないことです。これは通常の年金の請求とはわけが違う「要注意救済システム」なのです。

通常の老齢年金や(障害認定日に一定の障害等級に該当している)障害年金は、法律の条文で「支給する」となっているのに対し、事後重症の障害年金の条文は「請求することができる」となっています。

この「支給する」と「請求することができる」との違いを理解しなければ悔やまれる結果を招く恐れがあります。

「支給する」と「請求できる」の違いは小さくない

通常の老齢年金や障害認定日に障害の状態の場合に支給される障害年金にも、「請求」自体は必要です。但し、これらの年金を受け取る権利は「自動発生」しています。

例えば老齢基礎年金ならば、要件を満たしていれば65歳の時点で権利は自動発生していますので、仮に「請求漏れ」していたとしても、後日請求すれば、65歳にさかのぼって年金を受け取ることができます。

障害年金で言うと、障害認定日に障害等級に該当していれば、これもその時点で権利は自動発生しています。ですから請求が遅れても、障害認定日からの年金を受け取ることができるわけです。

これに対し、事後重症の障害年金は、権利の自動発生はありません。請求してはじめて権利が発生することになります。ということは、請求をしなければ権利は永遠に発生しないことになりますし、請求が遅れれば遅れるほど受け取れる期間は短くなってしまいます。

そういう意味で、この「事後重症の障害年金」は、いつ症状が悪化し障害等級に該当するか不透明で、請求が権利発生の前提と、他の年金よりも迅速で的確な対応が求められることになる要注意の救済制度といえます。


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