年金/年金アーカイブ

同じ一時金でも、会社員と公務員で差がある

厚生年金に脱退手当金という一時金がありますが、同じような制度が共済年金にもあります。制度の趣旨は同じ「掛け捨て防止」なのですが、厚生年金にはないメリットが共済年金にはあるのです。

和田 雅彦

執筆者:和田 雅彦

年金ガイド

  • Comment Page Icon

共済年金にも保険料精算制度があった

画像の代替テキスト
退職一時金という精算制度は昭和55年1月1日に廃止されたが、過去に受けていた一時金を返還し年金として受け取ることは現在も可能
厚生年金に保険料の精算制度である「脱退手当金」の存在をご存知の方は多いと思います。当ガイドサイトの以前の記事女性の敵!?脱退手当金って何?でも取り上げましたが、簡単に言うと、厚生年金に加入した期間を年金として受け取らず保険料を返してもらう制度ということになります。

「あの時保険料を返してもらわずに、そのままにしておいて年金として受け取ったら良かったのに!」と悔しい思いをされている方が沢山(特に女性)いらっしゃるわけですが、同じ2階部分の年金制度である「共済年金」にはこのような制度があるのだろうか?また、どうせ共済年金のことだから、何らかの優遇制度があるんじゃないの?

こんな疑問を持つ方もいらっしゃると思います。

実は、共済年金にも同じような保険料の精算制度があり、「退職一時金」という名称になっています。

制度が生まれた主旨はどちらも同じ

そもそもこの「保険料精算制度」は、専業主婦が国民年金に任意加入であった旧法時に、何年か会社員(公務員)であった人が退職し、専業主婦になるような場合、国民年金に加入しなければ年金が貰えないため、それまで払った保険料(掛金)を掛け捨てにしないために、払い戻す必要があったこともあり出来た制度です。

専業主婦も国民年金に強制加入することになっている現在、このような精算制度は必要でなくなっていますので、脱退一時金も退職一時金も制度としては廃止されていて、経過的に残されている状況も同じです。

現在は厚生年金に加入しているJR(旧国鉄)、NTT(旧電電公社)、JT(旧専売局)については、以前は共済年金制度でしたので、その頃には公務員と同じ「退職一時金」がありました。

さて、制度自体は同じものですが、優遇措置があるのかどうか?これ、興味がありますね。

実は、やっぱり優遇措置は「あるんです」。

次ページで具体的な「格差」を見ていきます
  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます