準備期間は1年で十分
いつのタイミングで教室に通わせたらいいのか、あるいは通わせなくてもいいのか。「小学校受験の準備期間にすべきこと」でも書きましたが、多くの家庭ではおよそ1年間かけて準備しています。年中の11月ごろからですね。それ以上の時間をかけて受験に臨み、合格した家庭に取材すると、「やってみたら準備は1年で十分だと思った」という答えがしばしば返ってきます。準備は1年を目安に、お子さんのタイプや成長、家族の状況に合わせて考えてはいかがでしょう。
「兄弟、姉妹がいるので一人だけにあまり時間をかけられない」「持久戦に向くタイプではない」などの理由から、短期集中で準備をした家庭もあります。体操教室のみ年少の春から通い、入試直前の9月から幼児教室に通い始めたという家庭も。
幼児教室に通うメリットとしては、いろいろなお友だちと一緒に学ぶことで励みになるし、人とのかかわりを学ぶことができます。子どもは仲間とともに学ぶことでより伸びやすく、親はわが子の成長の段階や課題を客観的に知る機会にもなります。志望校選びや家での学習について相談にも乗ってもらえます。
自宅学習を中心に準備をする家庭もあります。その場合、主に母親がリードして準備するケースが多いよう。「小学校入学までにかかるお金」で紹介した桐朋学園に合格したDさんや、白百合学園に合格したFさんがその例です。二つのご家庭に共通していることは、自分から勉強をし、楽しむタイプの女のお子さんだったこと。どちらも入試直前には幼児教室に通っており、それについてご家庭では「お友だちとのかかわりを学ぶことができ、先生のアドバイスももらえたのでよかった」と答えています。
土日は十分に遊ばせて
最後に、平日は幼児教室や家庭で勉強するとして、土日はぜひお子さんを十分に遊ばせてあげてください。その時間ももちろん無駄ではなく、親子での体験をするいい機会となります。「幼い子どもにとって勉強は負担なのだから、週末は子どものやりたいことをできるだけかなえるようにした」と話してくれたご家庭があります。動物園や海水浴、水族館など、子どものリクエストに応えて家族であちこち、お父さんが率先して連れて行ったそうです。「いい思い出ができ、家族の絆も深まりました」。こうした効用をもたらしてくれる受験、それはまさに小学校受験であるといえるでしょう。