国立付属は全員が系列校に進学できるわけではない
国立志願者数は過去上昇傾向にありましたが、ここ2年ほどは横ばいで飽和状態。したがって今後も動向は大きく変わることはないでしょう。注意しておきたいのは、国立の場合、附属中学校や附属高校までが全員進学できるとは限らないことです。
例えば、筑波大学附属小学校からは附属中学校へ160名中約135名(約84%)、附属中学校から附属高校へは進学するのは200名中約160名(約80%)。お茶の水女子大附属小学校では女子は附属小学校から附属中学校へ60名ほとんどが進学しますが、男子は約半数の30名が附属中学校へ進学し、残り半数が中学受験をし他校へ進学します。加えてお茶の水附属高校は女子校のため、女子は約80名のうち約8割の65名が内部進学しますが、男子は全員外部(高校)受験となります。東京学芸大学附属竹早小学校からは竹早中学校へ80名のほぼ全員が進学。竹早中学校から東京学芸大学附属高校(世田谷区)へは約160名中約80名程度の5割が進学するという結果となっています。
2011年、慶應義塾幼稚舎が横浜に開校予定
これに対して私立の特徴は、
- 大学までの(幼)小中高大の一貫校
- 大学受験指導に力を入れている(幼)小中高一貫校
- 中学受験指導に力を入れている学校
の三つに分けることができます。
1は共学で慶應義塾幼稚舎(渋谷区)、早稲田実業学校初等部(国分寺市)、青山学院初等部(渋谷区)、学習院初等科(新宿区)、成蹊小学校(武蔵野市)、成城学園初等学校(世田谷区)、男子校では立教小学校(豊島区)、女子校では立教女学院小学校(杉並区)、聖心女子学院初等科(港区)、日本女子大学附属豊明小学校(文京区)などが挙げられます。
2は共学で開智小学校(さいたま市)、さとえ学園小学校(さいたま市)、西武学園文理小学校(狭山市)の埼玉の新興私立小学校。男子校では暁星小学校(千代田区)、女子校では雙葉小学校(千代田区)、田園調布雙葉小学校(世田谷区)、光塩女子学院初等科(杉並区)、白百合学園小学校(千代田区)、東洋英和女学院小学部(世田谷区)、横浜雙葉小学校(横浜市)、湘南白百合学園小学校(藤沢市)など。
3は国立学園小学校(国立市)、宝仙学園小学校(中野区)、星美学園小学校(北区)、淑徳小学校(板橋区)、東横学園小学校(2009年東京都市大学付属小学校へ名称変更・世田谷区)、精華小学校(横浜市)、洗足学園小学校(川崎市)(以上共学)などが挙げられます。
今後の注目点としては、大学の附属小学校の開校が挙げられるでしょう。慶應義塾幼稚舎が2011年に横浜市青葉区(東急田園都市線・江田駅近郊)に開校(名称未定)。また、明治大学と法政大学が小学校を開校するという話もあります。関西エリアでは関関同立(関西学院・関西・同志社・立命館)のうち関西大学を除く3大学はすでに小学校を開校しています。
大学のこうした動きは今後さらに広まっていくでしょう。それが小学校受験をめぐる動向に影響を与えるのは言うまでもありません。
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