小学校受験の現状
少子化にもかかわらず、小学校受験への関心は高まる一方
子どもの学力低下や不登校、学級崩壊などが社会的問題となるなか、小学校受験への関心が高まっています。比例するように家庭の早期教育の意識も高まっており、わが子にいい教育を早いうち(若年層)から受けさせたいと願う親御さんが増えています。中学受験は近年熾烈をきわめ、2008年度入試では首都圏の約52,500名の児童が受験、小6在籍児童に対する受験率が17.7%にのぼる狭き門(詳細は「中学受験を取り巻く動向」)。少子化や不景気といった状況であっても小学校受験者数が減少しないのは、前述した学力不安・学級崩壊などを代表とする社会的背景があるといえるでしょう。
2008年度の全国小学校数は22,476校、うち国立は73校で前年度と同数、公立は22,197校で前年度より223校減少、私立は206校と前年度より6校増加。私立小はこの10年で35校増えています(以上、文部科学省・2008年度学校基本調査速報より)。首都圏での人口動態と受験動向を見てみましょう。
■首都圏(一都三県)小学1年生の在籍者数推移
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2006年 |
2007年 |
2008年 |
東京 |
98,938名 |
99,530名 |
98,943名 |
神奈川 |
81,121名 |
81,431名 |
81,141名 |
埼玉 |
66,237名 |
65,828名 |
65,906名 |
千葉 |
55,934名 |
56,036名 |
55,945名 |
首都圏 |
302,230名 |
302,825名 |
301,935名 |
■首都圏(一都三県)の受験志願者数の推移
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2006年 |
2007年 |
2008年 |
私立 |
23,288名 |
24,823名 |
25,092名 |
国立 |
16,504名 |
16,552名 |
16,533名 |
首都圏 |
39,792名 |
41,375名 |
41,625名 |
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上記の通り、首都圏の6歳人口は約30万人といわれ、うち約42,000名が私立・国立小学校へ出願し(のべ志願者数)、実数約12,000人が小学校受験をしていると言われています。2008年度入試では、国立の志願者数トップは筑波大学附属小学校で4,454人(志願倍率男子28.8、女子26.9)、2位はお茶の水女子大附属小学校で3,139人(同男子43.1、女子79.0)、3位は東京学芸大学附属竹早小学校で3,072人(同男子67.3、女子63.5)。
私立の志願者数トップは慶應義塾幼稚舎で2,468人(志願倍率男子14.3、女子22.9)、2位は早稲田実業学校初等部で1,476人(同男子13.3、女子14.3)、3位は成蹊小学校で908人(同男子8.7、女子7.5)となっています。