ライフプランを立てている人はどのくらい?
老後の生活に不安を感じている人が8割もいることがわかりましたが、その中で、しっかり老後に備えて生活設計(ライフプラン)を立てている人はどのくらいなのでしょうか?※「家計の金融行動に関する世論調査」(平成19年)よりガイド平野が作成 |
■約6割の人がライフプランを立てていない!?
ライフプランの策定状況は、「ライフプランを立てている」と回答した世帯が4割弱、「現在ライフプランを立てていないが、今後は立てるつもりである」と回答した世帯は約4割、「現在ライフプランを立てていないし、今後も立てるつもりはない」と回答した世帯は約2割でした。ライフプランを立てていない世帯は、全体の6割ということになります。
ライフプランを「立てている世帯」、「立てるつもり世帯」「予定していない世帯」の割合は、同調査の平成10年からの推移を見てもほぼ横ばいです。日頃からライフプランを立てる重要性を説く立場にある、ファイナンシャルプランナーとしては大変残念な結果です。
数年先までライフプランとファイナンシャルプランを立てている人は少ない |
○ライフプランとファイナンシャルプラン
「ライフプランを立てている」と回答した世帯に対し、「ライフプランと同時に資金計画(将来の必要となる資金を貯める運用計画)まで立てているか」という質問をしました。5割弱の世帯が「資金計画を立てている」としながらも、残りの5割強は「資金計画(ファイナンシャルプラン)を立てていない」という回答でした。
「来年、長男が小学校に入学する」「5年後に家を持ちたい」「10年目の結婚記念日には海外旅行に行く」といったライフプランがあっても、ライフプランに必要な資金をきちんと準備していなければ、実現することはできません。ライフプラン(生活設計)と同時にファイナンシャルプラン(資金計画)を立てることが大切です。
○長期的な視点でライフプランを……
どのくらい先までを考えてライフプランを立てているのでしょうか? 「何年先までライフプランを立てているか」の質問に対し、「10年以内(1~2年、3~5年、10年先)」と回答した世帯が約7割、「20年以上(20年先、20年以上)」と回答した世帯は約3割という結果でした。
回答した世帯の年齢によっても回答は異なってきますが、それでも20年以上先の老後までを視野に入れたライフプランを立てている世帯の割合は少ないようです。
■老後の不安の原因は、「先が見えない」から
老後を視野に入れたライフプランとファイナンシャルプランを立てていないということは、先の見えない長い人生を、目標や方向を定めることなく進むことになります。それは、地図とコンパスを持たずに、初めて訪れた街を歩くのに似ています。今、自分のいる場所や、行くべき場所が分からないと、たちまち不安になります。老後に対する不安の原因として、老後を視野に入れた、長期的なライフプランとファイナンシャルプランを立てていないということも挙げられるでしょう。