時間を買うことができる、お金の使い方は?
右下向きのベクトル:借りる
「何か買いたい物があるけれど、今は手持ちが足りない」という時、まずはお金を貯めることを考えると思います。けれども、お金が貯まるまでにはそれなりに時間もかかりますね。貯蓄が目標額に達するまで、目的の物やサービスを手に入れることができないのでは、困ることもあります。その代表例がマイホーム。もちろん、頭金など、現金でできるだけ多く用意できるにこしたことはありませんが、お金を借りることによって、「貯まるまでの時間」を買うことができるのです。・地価上昇! 住宅は、頭金を貯めてから買う?
この他、大学や専門学校などで勉強をしたい人向けに、教育ローンや奨学金などがあります。日本人は真面目な性格の人が多いせいか、「借金」というと良くないイメージを持つ方が多いようですが、欧米の学生は奨学金で卒業し、卒業後に自分が働いて返すことが多いそうです。必要な時期にお金を借りて自己投資をした結果、その後の収入などに効果が出るのですから、意義のある借金といえるでしょう。
ただ、借りる際は「無理なく返済できるかどうか」という点を忘れないでください。
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右肩上がりのベクトル+右下がりのベクトル?
そういえば以前、「株が安いうちに投資を始めたいけれども、手持ちの現金がないんです。キャッシングでお金を借りてでも、投資をするべきでしょうか?」という相談を受けたことがありました。はっきり言って、これはオススメできません。せっかく殖やしたお金も借金の金利で相殺されてしまう!? |
いくら「貯蓄が貯まるまでの時間を買うことができる」とはいっても、そのための金利は、決して安いものではありません。投資は「必ず何%の利益が得られる」と確約できるものではありませんが、借金は必ず決められた利息分も含めて返さなくてはならないものです。くれぐれもベクトルの向きを忘れないでいただきたいと思います。
可変性があるベクトル:備える
さて、最後のベクトルは「可変性があるベクトル」:備える(保険)です。ご存知の通り、保険は「万が一」に備えて入る契約です。無事で何事もなかった場合は、一般的には保険料の支払いだけですので、ベクトルの方向はやや右下向きになります。けれども、万が一の場合は、保険金が支給され、一家の損失を補ってくれますので、ベクトルは右上向きになるといえるでしょう。ガイド平野作成 |
もちろん、必要以上に保険に入っている場合は、支払い保険料の負担が大きくなるため、右下向きの角度が大きくなります。ぜひご自身の保険が適正かどうか、も確認しましょう。
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ここまで見てきた「お金の4つのベクトル(役割)」をまとめると、次頁の図のようになります。