介護にかかる費用は誰もが気になるもの

自分の子どもの子育てが一段落……ほっとしていたら、次は親の介護という話はよく聞きます。40~60歳代の世代には、親の介護は切実な問題です。 また、元気にセカンドライフをむかえた世代にとっても、心配事は自分が病気などで思うように動けなくなったとき。多くの世代にとって「介護」は身近な問題ですね。

介護はする側、される側にとって避けて通れないところ。いつかは遭遇する「介護」って、いったいどのくらいお金が必要?

介護はする側、される側にとって避けて通れないところ。いつかは遭遇する「介護」って、いったいどのくらいお金が必要?


中でも、介護にいくらくらいお金がかかるか? ということが、最大の関心事でしょう。今は介護保険を利用したサービスを利用するのが一般的ですが、実際にはどれくらいの費用負担になるのでしょうか?

介護保険:40歳以上で加入。介護が必要になればサービスが受けられる

まずは、介護保険の仕組みからご紹介しましょう。介護保険制度は、市町村や特別区(東京23区)が運営主体になっている保険制度です。老人介護を社会的に支えあおうと平成12年から始まりました。

介護保険は40歳以上の人が被保険者(加入者)となり、保険料を負担しています。そのうち、第1号被保険者は65歳以上の人で、介護(寝たきりなどで入浴・食事や排泄などの日常生活動作への介護)や支援(家事や身支度などの日常生活での支援)が必要なときに、介護保険を適用してのサービスが受けられます。

また、第2号被保険者は、40歳以上65歳未満の医療保険(国民健康保険や職場の医療保険など)に加入している人です。40歳になると、お給料から天引きされる保険料が増えますが、これは介護保険料の負担がかかってきているためですね。この第2号被保険者は、初老期認知症、脳血管障害などの老化に伴う病気または特定疾病(末期ガンなど)にかかり、介護が必要になった場合に、介護保険の給付を受けることができます。

介護保険のサービスを受けるためには訪問調査などを受け、どのような介護が必要かなどの認定を受けなくてはいけません。下の表は要介護状態区分度の表です。要支援1から要介護5までの7段階の認定です。
介護保険を受けるためには、要支援1から要介護5までに認定してもらわないといけない。この区分によって、受けられる介護保険のサービスが変わってくる

<介護保険 要介護状態区分認定のめやす>
介護保険を受けるためには、要支援1から要介護5までに認定してもらわないといけない。この区分によって、受けられる介護保険のサービスが変わってくる

では、これらの要介護状態区分で、どれくらいの介護サービスが受けられるのでしょうか? 区分別に受けられる限度額、典型的なパターンでの自己負担額などを見ていきます。

約5万~35万円のサービスが1割負担で

介護保険では、利用者負担が1割でサービスが受けられ、要介護状態区分(要支援1~要介護5)に応じて上限が決められています。それ以上のサービスを受けるためには、全額自己負担となります。
<要支援・介護状態区分別 1か月のサービスの支給限度額と上限額の目安>

<要支援・介護状態区分別 1カ月のサービスの支給限度額と上限額の目安>
介護状態によって、1カ月に受けられるサービスの限度がある。この額は、受けられるサービスの上限で、自己負担はこの額の1割となる。また、上限額はサービスを受ける所在地ごとに変わる


上の表は、要介護状態区分別に支給限度額をあらわしたものです。通常、1単位は10円で換算されますが、サービス提供事業者の所在地によっては、1単位10.3円、10.8円などと加算されます。

標準的な地域で考えてみると、例えば要介護1の方が1カ月に受けられるサービスの上限は、16万6920円。自己負担は、この1割となるので1万6692円となります。そして、16万6920円分を超えたサービスは全額自己負担になるということですね。
 

要支援1:週1回ヘルプサービスで月1300円

では、具体的に介護保険を利用する人たちの例を見ていきましょう。まずは、要支援1と認定されたAさんの場合です。

Aさんはひざが悪く、ふき掃除や洗濯干しなどがやり辛いとのこと。また、重いものが持てないため買い物も思うようにできません。お風呂やトイレなどは1人で利用できます。このAさんは要支援1と認定されました。

Aさんは、週1回ホームヘルプサービスを受けることになりました。ヘルパーさんに来てもらい、買い物や洗濯、掃除などの生活支援のサービスを受けるのです。週1回のサービスで、1カ月のサービス費用は1万3000円程度。自己負担は1300円ほどです。週2回だと1カ月2万5000円程度かかり、自己負担は2500円くらいになります。

要介護1:週2回デイサービス利用で月1万2000円

次に、要介護1と認定されたBさんの場合を見てみましょう。 Bさんは、お風呂は少し手を添える程度の介助が必要。 家にいる時は自分でトイレにいけますが、出かける時は念のためリハビリパンツをはいています。杖をついて歩けますが、長時間の外出には車椅子を利用しています。

このBさんは、週2回デイサービス(通所介護)を受けることにしました。このデイサービスは、施設で食事や入浴などの日常生活の支援や機能訓練などを日帰りで受けられるものです。送迎などのサービスもあり、朝から夕方まで介護をしてくれるわけですから、介護する側にとっても有難いものですね。

Bさんのように、要介護1の状態でデイサービスを7時間から9時間受けた場合、施設の規模などで変わりますが、サービス費用は8000円程度。自己負担分は800円程度になります。また、食事やおやつ、リクリエーションなどで利用する消耗品などは全額自己負担になり、これらは内容にもよりますが、だいたい700円程度。あわせて1日1500円の負担となります。

1日1500円の自己負担で、昼食や入浴のサービスが受けられるということですね。週2回、月8回利用したとして、月1万2000円の負担となります。

要介護4:訪問入浴・看護・介護など受けて月3万円

最後に、要介護4の認定を受けたCさんの場合を見てみましょう。Cさんは寝たきりの状態で、1人では何もできません。かろうじてベッドに座れる程度です。

このCさんは、在宅で利用できるサービスを受けることになりました。まずは、週2回、訪問入浴介護を受けることにしました。この訪問入浴介護は、看護師と介護士が家庭に訪問し、入浴介護をしてくれるものです。浴槽なども持ち込んでの入浴です。

この訪問入浴介護にかかるサービス費用は、1万3000円程度で自己負担は1300円です。週2回、月8回利用するとして、月1万400円の自己負担です。

また、訪問看護も週に1回受けることにしました。訪問看護とは、看護師が家庭に訪問し、血圧測定、服薬管理、状態観察などをしてくれるものです。病状をプロに見てもらえると家族も安心ですね。この訪問介護にかかるサービス費用は5000円程度。自己負担は500円です。週1回とすると、月に2000円程度の負担です。

他に、おむつ交換などで訪問介護を受けることにしました。こちらは、1回30分、1日3回の利用です。1回あたりのサービス料は自己負担分で250円程度。1日3回で750円の負担となります。訪問介護や入浴介護を受ける日は、1日2回の利用として負担額は500円。1日3回利用を週4日、2回利用を週に3日とすれば、1カ月で1万8000円程度の負担となります。

このように、介護4認定のCさんは、訪問入浴介護を週2回、訪問看護を週1回、訪問介護を1日2~3回を受け、自己負担の総額は3万400円となります。

ケアプランの作成はケアマネージャーが行う

介護保険を利用する時には、Aさん、Bさん、Cさんのように、介護の必要度に応じて介護プランが組まれていきます。これらは、介護支援専門員(ケアマネージャー)が体や生活の様子を見て、効果的な介護を介護保険の範囲内(希望があれば、範囲外でも)で計画してくれるのです。

これらの介護保険を受けるためには、介護認定を受けなくてはいけません。自治体の窓口に申請をすると、訪問調査などを受けた後に、専門家の審査により認定がおります。介護保険を受けたい時は、まずは市町村や特別区に申請しましょう。もちろん、家族からの申請でもOKです。

いかがでしたか? 介護保険を利用すると、介護費用も思ったほど高くないと思いませんか? 介護は家族の負担が想像以上に大きいもの。これらの介護保険をうまく利用したいものですね。

今回は、在宅での介護を見てきました。こちらの記事では、施設に入った時にかかるお金を紹介しています。あわせてご覧ください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。