介護状態になれば、介護保険が適用される施設に入所したいところだが、希望者が多く順番待ちで入れないことも |
特に施設に入る場合は、長期間に渡りがちで、必要になるお金も心配になりますよね。こんな時に、低額で入居できる施設が身近にあるかどうか、また入居待ちがどれくらいあるかあたりが気になるところです。
いわゆる「老人ホーム」も、介護保険制度の施設と一般の有料老人ホームなどがあります。必要となる費用は、一般的に介護老人福祉施設で月10万円程度、一般の老人ホームではその倍以上かかるといったところでしょうか。この差は大きいですよね。これらの施設の充実度、地域によってかなりの差がありますよ。
介護保険を利用すると1割負担
介護が必要な状態になった時に利用できるのが介護保険制度。公的な介護保険で、65歳以上の第1号被保険者は、要介護状態になるとどのような理由であれ介護保険のサービスを受けることができます。この介護保険制度はお金を受け取るものではなく、介護保険サービスを受けることができるというもの。介護状態に応じて受けられるサービスが決まり、サービス料の1割を自己負担すればいいことになっています。このサービスは生涯受けることができるのでとても安心ですよね。
介護保険のサービスをくまなく利用するのが、老後の介護生活のポイントといえます。が、施設によっては何百人待ちといったところもあるとか。利用したい時に使える施設があるかどうかがポイントですよね。
介護老人福祉施設 老人人口比2.8倍の開き
<介護老人福祉施設数 (65歳以上人口10万人当たり)>
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都道府県別の介護老人福祉施設数 (65歳以上人口10万人当たり)。多い順に上位と下位の5都道府県からピックアップしている。島根県、鹿児島県が多く、東京都、愛知県の都心が少ない
(出典:統計でみる都道府県のすがた2009 総務省統計局) |
上の図は、都道府県別の65歳以上人口10万人当たりの介護老人福祉施設数で、多い順に上位と下位の都道府県をピックアップしています。全国で65歳以上人口当たりの介護老人福祉施設数が一番多いのが島根県。次いで鹿児島県、香川県、秋田県、長崎県と続きます。表には載せませんでしたが、6位以下は徳島県、福井県、宮崎県、和歌山県、山梨県となっています。
反対に施設が一番少ないのが愛知県。65歳以上人口10万人当たりの施設数ですが愛知県が13.8に対し島根県は37.8。なんと2.8倍の差になっています。老後の生活を考えるに当たってこの差は大きいですよね。
施設の少ないところは愛知県に続いて、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県と続きます。いずれも都心とその周辺ですね。表にはありませんが、大阪府、岐阜県、静岡県、福岡県、宮城県が施設数の少なさで続いています。
施設数は都心少なく西高東低
このように見てみると、65歳以上人口10万人当たりの介護施設数は、都心に少なく、また西日本のほうが多い傾向といえます。東日本でも秋田県、山梨県などは施設数も多いほう。また、西日本でも大阪府などが施設は少なくなっています。ちなみに、介護老人福祉施設は特別養護老人ホームで「特養」とも呼ばれている施設。要介護状態になった65歳以上の人が利用できます。入居型介護施設の代表的なものです。施設サービスは介護保険の適用で、自己負担は1割。ただし、食費や居住費などは介護保険からはずされ自己負担となります。ただし、低所得者には軽減制度があります。
介護が必要で施設に入るとなれば、この介護老人福祉施設を利用する人が多いもの。実際に、多くの施設が入居待ち状態。待機者が何百人もいるという施設もあります。これを考えると、少しでもたくさんの施設があると安心ですね。
施設数だけでなく定員数や他の老後の施設の充実度も知りたいところ。
次のページで、これらの実態を詳しくご紹介します。