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シャープ AQUOS(アクオス)の特徴とおすすめテレビ(3ページ目)

ブランドネームはAQUOS(アクオス)。液晶パネルの生産からセットまで一貫して手掛け国内で圧倒的なシェアを誇りました。しかし垂直統合型メーカーの例に漏れず、設備投資の重みで経営悪化、今年2016年、鴻海の財政支援を受け入れ実質上傘下に入りました。今季から大画面にも海外製パネルを採用する一方、8K解像度の4K NEXTを継続、液晶方式リーダーに変わりはありません。

大橋 伸太郎

執筆者:大橋 伸太郎

テレビガイド

参考:シャープAQUOSの技術と機能

数字や図形の表示を専らとした在野の技術である液晶をテレビの主流にまで押し上げたのはシャープの功績です。それは決して平坦な道のりでなく、数々の技術の挑戦とブレイクスルーあってAQUOSそして薄型テレビの今日の隆盛があるのです。

シャープが開発したテレビ用液晶技術は枚挙に暇がなくすでに搭載を終了したものも少なくありませんが、それらはイコールテレビ用液晶パネルの技術開発史。ここでは内外の液晶テレビの現在の隆盛をもたらしたシャープの新旧液晶技術を取り上げてみましょう。

シャープAQUOSは画面サイズによらず液晶パネルはすべてVA方式を採用します。IPS方式に比べ、動画解像度とコントラストで有利、逆に水平視野角でやや制限を受けます。

超解像分割駆動(擬似的に画素を倍密化する)
人間の目(脳)が明るさを感じやすい(比視感度)色が黄色と緑。一般的な液晶パネルはRGB三つのサブピクセルで一画素を構成しGがそれに相当しますが、RGBY四つのサブピクセルで構成のクアトロンは一画素にGとY二つの輝度ピークがあります。

クアトロンパネルの場合、配列がRGBYとなっており、明るさのエネルギーの最も高い緑と黄色は隣り合っていません。そこに注目しRGBとBYRの組み合わせを独立して駆動することで水平方向の解像度を二倍とし、次に各色のサブピクセルを上下二つに分けて輝度をコントロールするMPD(マルチピクセルドライブ)を使い垂直方向においても一画素内に二つの輝度ピークを作り出しました。

こうして一画素の中に縦横二つ計四つの輝度ピークを確保、一画素を二度光らせて仮想的に二画素として活用、フルハイビジョン2Kパネルで4K相当、4Kパネルで8K相当の高解像度表示が可能になりました。

4kパネルで8k解像度を得る

                                             
                                 四つのサブピクセルを水平垂直に分割して倍密化


UV2A(液晶パネルの配向と形成技術)
「UV²A」は、従来は液晶体を一定の向きに規則正しく並べる(配向といいます)ために、液晶パネル内に構造体を形成しましたが(リブ・スリット法)、UV²Aでは液晶体を注入後、紫外線を照射して配向させることができるようになり構造体が不要になりました。今までパネル上の溝や桟で遮られた光の利用効率が上がり、パネルコントラストが向上しました。今季の製品は、高速応答性を高めたハイスピードUV2Aを搭載します。

クアトロン原色パネル
上位機種に搭載されているのが、四原色パネル"クアトロン"。一般の液晶はサブピクセル(1画素の構成要素)はRGBの三つですが、シャープは四つ目の画素Y(黄色)のフィルターを新たに追加し、明るさを向上させました。

光らせる画素の組み合わせで輪郭をなめらかにするスムージング等の高画質化ができます。2012年のG7系では、新に829万サブピクセル駆動システムを採用、R,G,B,Yのサブピクセルを独立して制御し映像シーン毎にエッジ、明るさ、色彩を最適化、70V、80Vの大画面でも鮮鋭できめ細かい映像を実現します。超解像分割駆動もクアトロンの派生技術です。

モスアイパネル表面形成技術
“MOTH EYE”からの造語。パネル表面に光の波長より微細な200ナノメートルの突起を設けて外光反射を低減し、光の拡散を抑えてコントラストを改善しました。
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