シャープのテレビ:AQUOS(アクオス)
国内市場を牽引した液晶方式のオリジネーター
LC-80XU30 AQUOS液晶技術の象徴が4K NEXTだ
ブランドネームはAQUOS。シャープは今年ついに台湾の鴻海の傘下に入りましたが、液晶テレビの開発と普及に果たした功績は大きく、薄型テレビ戦争の覇者としての存在感は今も色褪せません。
他社がこぞって手掛けたプラズマ方式をNHK主導のサラブレッドに例えれば、電卓が発祥の液晶はいわば「野の技術」。液晶テレビなんて所詮ポータブルテレビ止まり、と冷笑されながら、液晶に会社の命運を託しデジタルテレビの世界標準方式に育て上げたシャープの努力は家電史上不滅のサクセスストーリーといえるでしょう。
「亀山ブランド」の下、パネルを自社生産する垂直統合の代表的一社でしたが、テレビ用液晶パネルの過当競争による価格下落、需要の頭打ちで方向転換を余儀なくされました。
2011年6月、亀山工場はタブレットやスマートフォン用中小型パネルの生産を中心とし、テレビ用大型パネルの生産は堺工場に移管。2012年3月には、台湾の大手電子機器メーカー鴻海との業務提携を発表、堺工場は同社との共同運営となりました。中小型画面の製品は従来から台湾メーカーに生産委託していましたが、2016年の新製品から4K大画面の一部でも海外製パネル搭載に踏み切りました。
自社生産はVA型パネルのみ。海外メーカーへの対抗上、技術的な付加価値の高いパネルの開発に力を入れ、製造工程を革新したUV²A液晶パネル、2010年には緑、青、赤のサブピクセルに黄を新たに追加し約1.8倍も明るい「四原色パネル」"クアトロン"を発表。2012年末に自社開発4Kパネルを完成。2013年に2Kで4K解像度を得る超解像分割駆動エンジン、2014年にそれを発展させ、4Kパネルで8K解像度の映像を表示する"4K NEXT"を発表、来るべき8K時代を望見する映像が注目を集めています。液晶方式の先駆者のプライドと踏ん張りが伺えます。
最新の3ラインは海外製パネルを採用、
コスト力を高め4KHDRへの対応を図る
2016年7月現在のAQUOSのラインを紹介しましょう。大型画面では長きに渡り自社製パネルのみを採用して来ましたが、今期の4K新製品で初めて海外製パネル搭載に踏み切りました。4K新ラインナップは以下三シリーズで構成されます。
XD45(55V)
US40(60,55,40V)
US40(55,50,40V)
いずれも4K HDR(ハイダイナミックレンジ)に対応します。三ラインの主な違いはXD45は直下型LEDバックライトを採用しますが、他二ラインはエッジ型です。XD45とUS40はN-Blackパネルを採用しますが、U40は低反射パネルを採用します。色域を拡大する「リッチカラーテクノロジー」とオンキヨー製スピーカーによるSound by Onkyoは全ライン共通です。
ブルーレイディスク録画再生機能搭載はアクオスが先鞭を付けました。オールインワン(BD&ハードディスク内蔵)3D対応の録画型がR30シリーズで、LC-40R30、LC-32R30、LC-24R30の3サイズをラインナップ。40Vはフルビジョンですが32,24Vは1366×768のハイビジョン対応機です。
BDドライブに加え1TBのハードディスク(24Vは500GB)を搭載します。クアトロン、モスアイ、3Dは非対応。
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