受験から入学まで、自宅通学者は約160万円、自宅外通学者は約220万円かかる

東京地区私立大学教職員組合連合の「家計負担調査」(2020年5~7月、対象:首都圏9大学・短大の新入生、有効回答:5382人)によると、教育費負担は親にとって厳しい内容であることがわかります。

まず、受験から入学までにかかる費用は、自宅通学者約160万円に対し、自宅外通学者は約220万円でした。この内容について詳しく解説していきます。
親にとっては大きい教育費の支出

親にとっては大きい教育費の支出

受験から入学までにかかる費用は、自宅通学者が159万8523円に対し、自宅外通学者は220万1023円でした。自宅外通学者の費用を前年度と比べると、減少したのは「受験費用」(1万8700円減)と「生活用品費」(1900円減)でした。一方、増加したのは、「家賃」(800円増)と「敷金・礼金」(1万5500円増)でした。

自宅外通学者の大学の初年度納付金の割合は、受験から入学までにかかる費用の60.9%にとどまり、住居費などのそれ以外の費用が多くかかっていることがわかります。ちなみに、自宅通学では83.9%です。
 

自宅外通学者の入学年の費用は約296万円

自宅外通学者の入学年にかかる費用は295万5623円で、前年度と比べ4万2200円減少しました。仕送り額(4月~12月)は75万4600円で、前年度より3万7900円も減少しました。
 

自宅外通学世帯の入学年の費用は親の年収の1/3弱にも

一方で、自宅外通学世帯の入学年にかかる費用が親の年収に占める割合は31.9%で、やや下がりました。

私大生を送り出す世帯の平均年収は、2002年度以降に1000万円を割り込み、2020年度も前年比0.5%減の937万7000円。自宅外通学者を送り出す親の負担の重さがにじみます。 
 

仕送り額は過去最低水準!

自宅外通学の子への仕送り額は、費用がかさむ5月で8万8900円、出費が落ち着く6月以降で8万2400円。5月時点の仕送り額は、前年度比8800円減少で初めて9万円を割り込み過去最低となりました。6月以降についても過去最低になっています。

家賃は6万4200円で微増し、しかも、仕送り額に占める割合は77.9%。学生生活がかなり厳しいことがうかがえます。仕送り額から家賃を引いた生活費は1万8200円で、過去最低だった2018年の記録を更新し、さらに2100円の減少となりました。

これを30日で割ると、自宅外通学者の平均生活費は1日607円ということに。最も高かった1990年度は1日2460円でしたので、4分の1以下の金額となっています。
 

4人に1人が入学費用を「借金」で調達!?

入学費用を教育ローンなどの借入れでまかなった世帯は、自宅外通学では21.5%でした(自宅通学は15.5%)。借入額の平均は、自宅外通学者の場合が215万7000円で、借入額は前年度から6万9000円減少しています。

自宅通学者の借入額は158万3000円で、自宅外通学は自宅通学より57万4000円も多く借入れをしていることになります。
 

奨学金を希望する世帯が約67%

自宅外通学者で日本学生支援機構を含む奨学金の希望者は66.9%でした。希望者のうち、実際に申請したのは、自宅外通学者では奨学金希望者の65.1%。当然ながら、費用がかかる自宅外の方が奨学金の利用が多くなっています。

奨学金を希望したものの申請しなかった理由は「申請基準に合わない」が最多で、過去最高の53.3%でした。それ以外で多いのは、「返済義務がある」が22.2%でした。
 

教育資金の準備はしっかりと

世帯年収が伸び悩む中、私大生、特に自宅外通学の学生を送り出す世帯では、学費は大きな負担です。2020年度から、一定年収以下の世帯を対象に、消費税を財源として「高等教育無償化(大学無償化)」(給付型奨学金+学費の減免)がスタートし、負担の軽減が進みました。

しかし、該当しない層では教育費の負担はこれまでと何ら変わりません。無利子で借りられる第一種奨学金の条件が数年前に少し緩和した程度です。

子供が希望すれば大学や専門学校へ行かせてあげたいと思うご家庭では、いずれにしても教育資金の準備はしっかり行っておくことが大事です。親自身の老後にツケを回さないためにも、油断せずに準備をしておきましょうね!

参照:私立大学の家計負担調査
http://tfpu.or.jp/wp-content/uploads/2021/04/940df65970992b27b22d6f7f4179822d.pdf

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