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子育て家計の「第4のリスク」とは

子育てのことで頭がいっぱいのある日、「親の介護」が発生したときには家族でどう対処しますか?人生の3大支出といえば、住宅資金、子どもの教育資金、老後資金ですが、筆者は親の介護・老後を加えて「3.5大支出」や「4大支出」と呼んできました。子育て世帯に迫る「第4のリスク」に備えておきましょう。

豊田 眞弓

執筆者:豊田 眞弓

教育費 ・ 奨学金ガイド

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ある日突然やってくる、家計の「第4のリスク」とは?

人生の3大支出といえば、住宅資金、子どもの教育資金、老後資金ですが、筆者は親の介護・老後を加えて「3・5大支出」や「4大支出」と呼んできました。経済的支出が伴う以上、これらの「支出」は「リスク」と捉えておいたほうがいいかもしれません。
ある日突然やってくるかもしれない、家計の第4のリスク

ある日突然やってくるかもしれない、家計の第4のリスク


それでも計画的に準備することが多い「3大支出・リスク」はまだいいのですが、問題は、ある日突然やってくるかもしれない「第4のリスク」、すなわち、親が要介護状態になってしまったときの経済的リスクです。

子どもが小さいからとか、受験期だからといったこととは関係なく、やってくる可能性があります。最近では「ダブルケア」という言葉で表現されるようにもなりました。

親が要介護状態になったときのことはデリケートな問題でもあり、なかなか話題にしにくいものですが、手を打たなければいつまでもリスクのまま。不安感がじわりと広がるばかりです 。事態が起きて直面してから、親族でもめるのも避けたいものです。

話し合う時期も、「まだ元気だから」ではなく、「元気なときこそ」、家族で腹を割って話すことで共通認識を持ち、できる範囲で準備も始められます。

まずは親御さんに、老後の住まいや介護についての希望を聞いてみましょう。非常にデリケートな問題でもあるため、こうしたことを「嫁」という立場でかかわるとあまりよい結果にならないので、実の娘、実の息子の立場で、それぞれが確認するようにしましょう。
 

親のニーズを確認

親のニーズを確認する項目として、いくつか挙げてみます。こうしたことをさりげなく、しかも本音が聞けるようにすることが大事ですね。

■老後の住まい
体が動かないまたは1人になったとき、住まいはどうしたい?

□今の家に住み続けたい
□(   )夫婦と二世帯住宅で住みたい
□(   )夫婦と同居したい
□(   )夫婦の近くに家を買う(借りる)
□有料老人ホームなどを検討している
□その他(     )

■病気
病気で入院したときの治療費などは?

□用意してある(     万円)
□加入している民間の生命保険・医療保険でまかなうつもり
□年金から支払う
□その他(     )

■介護
介護が必要になったら?

□施設入所を希望する
□在宅介護を希望する
 

資金面の備えは?

最近の考え方として、「介護は自分の資産で」という考え方が浸透しつつあります。親世帯に金融資産がたくさんある場合は心配はないですが、ゆとりがないときや、ゆとりはあっても子どもの側がいつでも資金的な援助ができるようにしておきたいという場合には、教育資金同様、資金的な準備をしておく必要があります。

実は、子ども世帯にとって、親が倒れることは二重のリスクです。医療・介護の費用がかかるとともに、看護や介護のために仕事を休んだり、ときにはやめたりすることがあれば、機会費用も大きなものになります。介護離職も多いですが、基本的に仕事は辞めないようにしたいもの。自分たちの老後の余力が失われます。

教育資金がかかる中、かなり大変なことですが、親に万一のことがあったときの経済的リスクに備える貯蓄として、300万円程度を準備しておくと、安心度は高まります。特に遠距離介護が見込まれる場合は交通費もばかにならないため、ある程度、長期化しても耐えられるように準備をするといいでしょう。

親が健康で介護用の貯蓄を使わずに済んだときは、最終的に子どもの教育資金や自分の老後資金に回せます。

“第4のリスク”に備えるには、親を被保険者とする介護保険(終身型)に加入することのほか、専用の貯蓄をしてもらってもしものときに備える方法があります。

その他、広く備えるヒントを「親の入院・介護が必要になるときいちばん最初に読む本」(アニモ出版)にまとめましたので、ぜひご参照いただけますと幸いです。


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