住宅ローンの借入/住宅ローンの選び方(新規)

変動と固定の安易な組み合わせは失敗の元!(2ページ目)

将来の金利上昇に備えた住宅ローンの組み方として注目する人も多い金利ミックス型。ところが、安易に組み合わせを選ぶと、将来思った以上のリスクを負うことも。借入前に慎重に試算しましょう。

高田 晶子

執筆者:高田 晶子

住宅ローンガイド

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金利上昇リスクをとれる人には有効な手段

イラスト
ミックス型が自分に向いているかどうか、よく検討してから選択を!
前出の例で、住宅ローンを全額変動金利型で借入れし、将来金利上昇していった場合に、ケース2では11年後からは当初よりも約5万円も多い毎月返済額となってしまいます。しかし、固定金利型を組み入れすることで、当初の返済金額は大きくなるものの、上がり幅は小さくなります。

もともと全額を将来の金利変動リスクが大きなもので借りようと思っていた人にとっては、金利をミックスすることにより、大分リスク軽減が図れると感じるでしょう。

また、当初の固定金利と変動金利の金利差がある場合には、返済期間前半では金利が上昇しても変動金利型を組み入れておいた方がお得感があります。金利が固定金利型の金利に近づく前に、繰上返済などで残高をどんどん減らすことができる人であれば、変動金利型の利用はとても有効でしょう。

金利上昇が怖い人には金利ミックスはあまり向かない

基本的には保守的で、金利上昇が怖いと思っていた場合、Cのように変動金利型ローンの割合を増やすと、低金利だった場合のお得度が高い一方で、全期間固定と組み合わせた割には、金利上昇した場合のリスクが予想以上に大きいと感じるのではないでしょうか。リスクはなるべく小さくしようとBのように変動金利型の割合を低くすると、思ったほど返済額が下がらず、組み合わせのメリットをさほど感じないかもしれません。このような人は、無理をせず、安心を取るためにも全期間固定の商品を選んだ方が無難でしょう。

また、金利を組み合わせることにより、将来、繰上返済を行おうとした場合、どちらの金利タイプから繰上返済を行うか、というような迷いも生じるはず。金利の動向をウォッチしたり、数字の管理が苦手という人は、全期間固定だけにし、そのローンの繰上返済に注力する方が気持ちが楽になると思われます。

試算してみて決めることが重要

低金利のローンに魅力を感じつつ、しかし金利上昇は怖いと感じ、どちらを選択していいのかわからない、という理由で安易に金利タイプを組み合わせるのは危険な選択になりかねません。全期間固定、変動金利型、ミックス型のどれが得になるのかは、借入時の金利や、将来の金利水準によっても異なります。ですので、前ページの表のように、組み合わせる割合や将来の金利状況が、返済額にどのくらいの影響を与えるのかを具体的に計算し、数字から自分がどのように感じるかを確認してみることがとても重要です。
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