2015年分の源泉徴収票、発行時期はいつ? 見方のポイントは?

年末調整が終了すると(あるいは中途退職者には中途退職時に)、早ければ12月中、遅くとも翌年1月末までには源泉徴収票が配布されます。

この記事では以下のサンプルをもとに、年末調整を受けた源泉徴収票の見方を解説します。
平成27年、2015年分の源泉徴収票サンプル(国税庁HPより)。平成26年分と様式は同じ

平成27年、2015年分の源泉徴収票サンプル(国税庁HPより)。平成26年分と様式は同じ


住所、氏名、生年月日

1年を通して同じ勤務先に勤め、年末に同じ勤務先に在職していた人であれば、原則、勤務先で年末調整を行ってもらうことで課税関係が終了します。

年末調整で渡される「扶養控除等(異動)申告書」に記入した住所、氏名、生年月日などが、そのまま源泉徴収票にも記載されます。住所地と住民票の所在地が異なっている場合、その人の居所、つまり生活の本拠としている所が住所地となります。住民税の納税地ともなりますので、年末調整の際は正しく記載しましょう。

種別・支払金額

種別の欄は通常、給料・賞与などと印字されているでしょう。これをもとに給与所得が計算され、課税されることになります。

支払金額(c)に記載してある金額は、手取りではなく額面です。つまり、社会保険料や源泉所得税、住民税などが差し引かれる前の金額ということです。

ただし、通勤手当のうち非課税規定の取り扱いを受けるものについては、この支払金額には含まれません。この国税太郎さんの記載例では683万5000円とあり、これが一般的に年収と呼ばれるものです。

※年収(収入)と所得の違いがいまいちわからない! という人は「収入と所得は何が違うの?」もあわせてご覧ください。

給与所得控除後の金額

確定申告の手引等からダウンロードできます

給与所得金額の速算表(国税庁ウェブサイトより)。画像内のAは給与等の収入金額、つまり年収のこと

給与所得控除後の金額(d)は、収入金額(源泉徴収票でいうところの支払金額)から給与所得控除(※)の額を差し引いて求めます。

※給与所得控除とは、所得税法上で定められているサラリーマンの必要経費です。なお平成25年より、年収1500万円を超える人は給与所得控除額245万円で一律になっています。

ここでいう「給与所得控除後の金額」とは、給与所得金額のことです。速算表(画像参照)にあてはめると、

給与所得金額=支払金額683万5000円×0.9-120万円=495万1500円

と算出され、給与所得控除後の金額(d)に記載されている金額と一致します。

年末調整などの事務作業でポイントになるのは、給与所得控除の金額ではなく、給与所得控除「後」の金額、つまり給与所得金額です。支払金額に応じて自動的に給与所得控除後の金額が算定されますので、自身の給与所得金額が正しく計算されているかどうか、上の速算表で検算してみるといいでしょう。

所得控除の額の合計額

所得税の税率は、所得金額(この場合は給与所得金額)ではなく、課税所得金額に課されます。この課税所得金額とは、所得金額からさらに所得控除の額を差し引いたものです。

今回のサンプルでいえば、所得控除の額の合計額(j)に記載されてある「229万2254円」が国税太郎さんの所得控除額です。

「所得控除の額の合計額」の内訳

どんな所得控除が適用されているかは、源泉徴収票の3段目と4段目の右側を見ればわかります。それぞれのポイントは以下のとおりです。

●社会保険料等の金額(e) 99万2454円
摘要欄に国民年金保険料等の金額17万6460円とありますが、これを含めて99万2454円です。

●生命保険料の控除額(g) 11万5000円
次のような生命保険に加入しており、生命保険料控除が考慮されていることがわかります。
(A)一般の生命保険料(新契約) 2万4000円
(B)一般の生命保険料(旧契約) 3万6000円
(C)介護医療保険料 4万8000円
(D)個人年金保険料(新契約) 5万3000円
(E)個人年金保険料控除(旧契約) 7万2000円

●地震保険料の控除額(h) 4万4800円
地震保険料控除3万円と旧長期損害保険料控除(※)1万4800円の合計です。
※旧長期損害保険料(f)1万9600円×1/2+5000円

●配偶者控除 38万円

控除対象配偶者の有無等(a)の「有」に○印があることから、摘要欄に記載のある昌子さんが控除対象配偶者で、太郎さんが配偶者控除を受けていることがわかります。

扶養控除 38万円
控除対象扶養親族の数(b)に1とあり、摘要欄に「子 浩」と書いてあるため、浩さんが扶養控除の対象であることがわかります。

●基礎控除 38万円

特に記載箇所はありませんが、誰でも無条件で適用される所得控除です。

源泉徴収票のサンプルで適用されている所得控除の一覧

源泉徴収票のサンプルで適用されている所得控除の一覧

以上の所得控除の額をすべて足し上げると、所得控除の額の合計額(j)に記載のある229万2254円と一致します(図表参照)。

ご自身の源泉徴収票で検算してみるものいいでしょう。

住宅ローン控除などの税額控除をふまえて、源泉徴収税額が決まる

所得金額から所得控除の額を差し引いて、ようやく課税所得金額が算出されますが、注意するポイントがあります。

国税太郎さんのケースでは、495万1500円(給与所得控除後の金額=給与所得金額)から229万2254円(所得控除の額の合計額)を差し引くと265万9246円となるのですが、「千円未満端数切り捨て」というルールがあるので、265万9000円として取り扱います。

超過累進税率速算表(出典:国税庁ホームページ)

超過累進税率速算表(国税庁ウェブサイトより)

また、画像の速算表をもとに、265万9000円に「10%-9万7500円」という税率をかけると、本来の税額は16万8400円と算出されます。

しかし、この税額からさらに優遇される「税額控除」という仕組みがあります。

●住宅ローン控除
国税太郎さんのケースでは、住宅借入金等特別控除の額(k)に14万円という金額が記載されています。

上から4段目の摘要欄を見ると、平成21年3月14日に居住を開始したマイホームがあることが読み取れます。さらに、その上の「住宅借入金等特別控除可能額」という欄には何も記載がないことから、前述の算出税額16万8400円から14万円を全額差し引き、2万8400円という税額が導きだされます。

復興特別所得税も考慮しなくてはいけない

従来であればこの段階、つまり2万8400円が税額として算定されていました。ただし、東日本大震災の復興財源確保のため、平成25年から平成49年までは復興特別所得税の増税期間になっています。平成27年分の源泉徴収票も、もちろんこの復興特別所得税の影響を受けます。

そのため、この2万8400円に2.1%加算したものが最終税額となります。

2万8400円×102.1%=2万8900円(100円未満端数切り捨て)=源泉徴収税額(l)

この算式のポイントは2つ。2.1%の加算なので、電卓などで計算するときには102.1%を乗じます。また、この段階で100円未満端数切り捨てとなり、本来なら2万8996円と算出されるところが2万8900円となるのです。

なお、今回のケースでは住宅ローン控除額が全額、所得税より差し引き切れています。課税所得から算定された所得税額より住宅ローン控除額が大きい場合(つまり、差し引ききれない場合)は、13万6500円を限度に、翌年の住民税から差し引くことができます

このケースのように、給与所得者であれば、2回目以降の住宅ローン控除は年末調整での処理が可能なのです。

従業員が受け取る源泉徴収票にマイナンバーは記載されないことに

(編集部追記)
平成28年1月から運用開始のマイナンバー制度。源泉徴収票が新しい様式になり、マイナンバーの記載欄も設けられるといわれていましたが、結局、従業員本人が受け取る源泉徴収票にはマイナンバー記載が不要になりました(※1)。

サラリーマンなどの給与所得者が確定申告をする際に添付する源泉徴収票も、マイナンバーの記載がないものでOKとのことです(※2)。

(※1)国税庁「本人へ交付する源泉徴収票や支払通知書等への個人番号の記載不要について」(平成27年10月2日)
(※2)国税庁「法定調書に関するFAQ (2)法定調書関係(給与所得の源泉徴収票の)Q2-3」


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