年末調整で所得控除をする

更新日:2011年10月25日

年末調整でよく聞く「扶養親族控除」って何?

年末調整時期や確定申告時期になると、よく「扶養に入れる」とか「扶養に入れない」といったことが話題になります。税務の手続き上で言うと、納税者に扶養親族がいる場合に控除が受けられる制度のことを扶養控除といいます。平成23年の税制改正による年少扶養控除の廃止と特定扶養控除の縮小の影響についても押させておきましょう。

扶養親族の適否は年末調整の現況で判断します

扶養親族の適否は年末調整の現況で判断します

年末調整時期や確定申告時期になると、よく「扶養に入れる」とか「扶養に入れない」といったことが話題になります。税務の手続き上で言うと、
  • 納税者に(一般的には年末調整の対象者や確定申告の提出者など)
  • 扶養親族がいる場合に(詳細は後述)
  • 所得控除の仕組みを通じて、納税者の税負担を軽減する制度
このことを扶養控除といっています。対象となる親族のことを税法上、扶養親族と言っているので、扶養している親族がいる場合の控除のことを扶養控除と短縮していると理解すると分かりやすいでしょう。

父母、子、孫…扶養親族の範囲は?

では、対象となる親族とはどの範囲を指すのでしょうか。ここでいう親族とは民法の規定に従うので、6親等内の血族および3親等内の姻族を指します。たとえば、結婚している夫婦の夫側を基準に考えると夫側の親族のことを血族といい、配偶者側の親族のことを姻族といいます。父母や子は1親等、祖父母や孫、兄弟姉妹は2親等ですので、血族であれば6、姻族であれば3と規定されているところから、かなり広範囲までカバーされています。

次に、扶養しているという事実がなくてはなりません。これについては「生計を一にしている」(以下、同一生計といいいます)か否かという基準で判断されます。これは、必ずしも同居を要件とするものではありません。例えば、勤務、修学、療養費等の都合上別居している場合であっても、余暇には同居している場合や、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合には、同一生計の状況にあるものとして取り扱われます。

なお、親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、同一生計の状況にあるものとして取り扱われます。

扶養親族について詳しくはこちら >>> 年末調整でよく聞く扶養親族って何?

合計所得金額38万円に含まれるもの、含まれないもの

では、生活費、学資金、療養費等の送金が行われていても、その対象となる親族に一定の所得があるのであれば、扶養という要件にはなじまず、課税の公平性も欠いたものとなります。したがって、「合計所得金額38万円以下」という規定があります。

所得は収入から必要経費を差し引いたあとの金額を指すので、アルバイトやパートなど給与所得者の場合には65万円を差し引いた後の金額、公的年金の受給者の場合には65歳未満の方では70万円、65歳以上の方では120万円を差し引いたあとの金額が38万円以下であれば、扶養親族となることができます。

アルバイトやパートの場合、収入金額が103万円以内の場合、65万円を差し引くと38万円以下となるため、収入でみると103万円というのもひとつの基準ではあります。

ただし、この合計所得金額に含めなくても良いとされているものもあります。
代表例としては
  • 利子所得のうち源泉分離課税の適用を受けているもの
  • 確定申告を選択しないこととした上場株式等の配当
  • 源泉徴収選択口座を通じて行った上場株式の譲渡で確定申告を選択しなかったもの
などがあります。

ポイントとしては、分離課税の対象となっているので、申告対象としていないものと理解しておくといいでしょう。

特に、現状では源泉徴収選択口座内で上場株式等の配当、譲渡も受け入れることができるとされていますが、確定申告不要を選択するのであれば合計所得金額には含まれず、確定申告を選択したのであれば合計所得金額に含まれるため、ここでの意志決定が扶養親族に入れるのか入れないのかといったことにも影響してくることになります。

次のページでは平成22年税制改正後の扶養親族について解説します。
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この記事の担当ガイド

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田中 卓也

税理士であるガイドが避けては通れない税金の問題について、専門用語もかみくだいてわかりやすく解説。

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