書籍・雑誌
話題の本関連情報(21ページ目)
芥川・直木賞ほか、各種文学賞の受賞作や受賞作品を解説しています。
記事一覧
平成の松本清張、新作! 『臨場』
ガイド記事梅村 千恵『臨場』この本を買いたい!■死者の人生を掬う「終身検視官」登場!揺ぎない倫理観に貫かれた「らしい」短編集警察小説の名手としてすっかりその評価が定着した感のある横山秀夫。最新作は検視官を主人公にした連作集である。倉石義男、52歳。巡査を鑑識畑一筋。「終身検視官」の異名を取る男。植物、動物などについての...続きを読む
米新進作家の冒険的大作! 『ミドルセックス』
ガイド記事梅村 千恵『ミドルセックス』この本を買いたい!■両性具有の少女/少年の視点で語られるファミリー・サーガ。小説の原則を超えた冒険的な作品『ヘビトンボの季節に自殺した五姉妹』で高い評価を受けたアメリカの作家の新作。『ヘビトンボ・・・』は、「僕ら」と自分を呼んでいる一人称複数の語り手など、さまざまな意味で掟やぶり、...続きを読む
ルール無用!町田版大江戸騒動記 『パンク侍、斬られて候』
ガイド記事梅村 千恵『パンク侍、斬られて候』この本を買いたい!■奇妙な宗教団体VS世間をなめきったパンク侍。パンクな言葉と破天荒な展開で本領発揮!町田康、時代小説に挑む!ファンにとっては、ワクワクもんである。その期待を裏切らず、あらすじからしてかなり飛ばしてくれる。舞台は、江戸時代(時代小説なもんで)。ある藩の茶店にあ...続きを読む
いろんな好みの読者におススメしがいアリ! 『ワイルド・ソウル
ガイド記事梅村 千恵『ワイルド・ソウル』垣根涼介幻冬舎1900円この本を買いたい!■未開の地アマゾン入植地での地獄の日々。生還者たちの復讐劇の結末やいかに!『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞してデビューした著者の最新作。大藪春彦賞と吉川英治新人賞をダブル受賞したが、その勲章にふさわし...続きを読む
働く女性におすすめ! 『食べる女』
ガイド記事梅村 千恵『食べる女』この本を買いたい!■美食でないが、おいしい食事。特別スゴいわけじゃないが、気持ちのいいセックスが描かれた短編集食べることとセックス――文芸評論家の斉藤美奈子女史は、以前紹介した『文学的商品学』の中で、「食べ物の描写は、男と女の距離を表す」という定義を打ち立てていたが、この二つがきわめて似...続きを読む
『永遠の仔』天童荒太、最新作 『幻世の祈り』
ガイド記事梅村 千恵『幻世の祈り』この本を買いたい!■山本周五郎賞受賞『家族狩り』をもとにした5部作、刊行開始!『永遠の仔』で多くの読者に衝撃と感動を与えた天童荒太。『家族狩り』では、山本周五郎賞を受賞するなど、「家族」をテーマにした真摯な作品で高い評価を得ている。そんな彼の『あふれた愛』以来の久しぶりの新作が、当作。...続きを読む
完徹必至!?物語の可能性満載の一冊 『ららら科學の子』
ガイド記事梅村 千恵『ららら科學の子』この本を買いたい!ハードボイルドの書き手のイメージが強い著者であるが、98年に『あ・じゃぱん』でドゥ・マゴ文学賞を受賞、「ニッポン」という国の戦後史を見据えたスケールと奥行きのあるテーマ性とストーリー性をあわせもつ物語で新境地を開いた感がある。個人的に、今、もっとも注目している書き...続きを読む
モノの描かれ方から小説を読む 『文学的商品学』
ガイド記事梅村 千恵『文学的商品学』この本を買いたい!文学作品に登場するモノたち。「何」が描かれているかではなく「どう」描かれているかに着目『妊娠小説』『紅一点論』など、斬新な切り口で、読書の新たな楽しみを教えてくれる著者。今回は、彼女が着目したのは、洋服、食べ物、車など、作中に登場する「モノ」たちだ。もちろん、小説の...続きを読む
話題の芥川賞受賞作 『蛇にピアス』
ガイド記事梅村 千恵『蛇にピアス』この本を買いたい!■過激な「身体改造」の痛みや残酷さ。嫌悪感を超えて伝わってくるものとは?本作のモティーフになっているのは、身体改造。耳のピアスから始まって、そのサイズや数を増大させたり、舌にピアスをしたりする、アレである。良識ある大人たちが「親にもらった身体を傷つけて・・・」と眉をひ...続きを読む
恋愛小説のカリスマ、直木賞受賞! 『号泣する準備はできていた
ガイド記事梅村 千恵『号泣する準備はできていた』この本を買いたい!■甘美で繊細。だが、実は、「怖い」江國作品平成の恋愛小説のカリスマ・江國香織が、ついに直木賞を受賞した。受賞作は、体も心もひとつになれる男との別離の哀しみ、絶望と同居して女性を描いた表題作をはじめ、少女の頃のほろ苦い恋の思い出を振り返る『じゃこじゃこのビ...続きを読む