資産運用/資産運用をするときの鉄則

家計から投資にまわすべき適切な金額とは?(2ページ目)

いくらを投資に回すべきなのか?とても重要な選択です。積極派、理論派、慎重派と3通りの判断方法があります。長期投資で快適な資産運用をするためには、必ず通過してほしいチェックポイントです。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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3.堅実にスタートする方法


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慎重に堅実に投資を始めたい人ならば、最悪の場合でもこれ以上は損をしないと測れる方法、測れる投資額で始めることが賢明です。
これは初めて投資を始める人が、自分のリスク許容度に応じた投資をしたいときに最適の方法です。

公募の金融商品にはリターンとリスクのデータが公表されているものがあります。これは過去の価格変動から導かれた統計で、リターンは平均収益率、リスクは価格変動のブレ(標準偏差)として計算されています。

たとえば、次のような商品(あるいは、ポートフォリオ)の購入を検討していることを前提とします。

Aファンド 平均リターン 7% リスク(標準偏差)15%

このデータは、過去には7%の利率で成長してきたが、最悪の時にはマイナス8%(7?15=?8)、最良のときにはプラス22%(7+15=22)の範囲内におさまる確率が3分の2あるということを意味しています。

そして、投入金額を計算するために、投資期間中に起こりうる損失としていくらくらいまでなら精神的に耐えられるか?を自問してもらいます(これがリスク許容度です)。ある投資家は、100万円までの評価損なら耐えられるが、それ以上の損失の発生には冷静で居られないだろうと答えたとすると、その人のリスク許容度は100万円です。

であれば、価格のブレが最悪でもマイナス100万円となる投入金額の大きさが、適切なスタート金額といえます。受け入れられる損失額が100万円、リスク(標準偏差)が15%ですから、100万円を<リターン マイナス リスク>の8%(7-15)で割れば、限界投資金額が計算できます。

100万円 ÷ 8% = 1,250万円

損を100万円までにとどめたい人であれば、1,250万円を超えてAファンドに投資をしてはいけないということになります。

【関連記事】損は受け入れるもの、しかし予測できるもの

ただし、これは確率の話なので、将来を約束することではありません。さらに、6分の1の確率では、最悪の値下がり巾が標準偏差の倍まで広がる可能性があります。このくらいの確率での損が気になるという人は、より安全な資産や標準偏差のより小さいファンドを選ぶべきです。

まとめますと、1,250万円を<リターン7%、リスク15%>のファンドに投資すれば、最良で1,525万円最悪で1,150万円になる確率が3分の1あります。最悪の評価損は、6分の1の確率では288万円(1,250 X (7?15X2)%)まで膨らむ可能性があるということです。

【関連記事】リスクとはバラツキのことだった

お分かりいただけましたか?
資産運用の基本は、投入資金、投資期間、運用利回りからプランニングされます。投資期間と目標到達額と期待利回りが決まれば、必要投入金額が決まるのです。

【関連記事】本当の運用は%で考える


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