もうかる投資信託は数あれど・・・
バートン・マルキールは本書でアメリカの効率的市場を描いて、市場平均に打ち克つむずかしさを説いた。それは日本の20年先を行っている国の実態。 |
しかし、日本はまだまだバイアスや情報格差にあふれた野蛮な市場なので、アメリカほど効率的でも合理的でもありません。ですから、投資信託が市場平均に負けることも、アメリカほどではないのです。投資信託が市場平均をアウトパフォームしている現実を目の当たりにすると、コストのことしか語れない専門家の言葉は非常に陳腐に聞こえてきます。
長期収益率のランキングで数字を確認した後は、次のステップとして、数字に表れない投資信託の品質をどう評価して、より確実な投資信託を選ぶかという「厳選方法」があります。
良いファンドを選び、それが良い限り持ち続け、悪くなってきたらすっぱりとより良い投資信託に乗り換える。それが、長期投資家のお手本です。その際に、コストの安いことは優先順位の高いことではないのです。日本での投資信託の歴史が浅いせいで、その真髄は語れる専門家も、そう多くないのが現実であることもご考慮ください。
私たちは、ショッピングや食事において安い物ばかり求めているでしょうか?ましてや、それがお金の運用という付加価値の高いサービスを買う消費行動であればこそ、それなりの価格がするのは当然ではないでしょうか?
まあ、もちろん安い物しか買わない!という信念の持ち主は、それでけっこうですが、「安かろう、悪かろう」という結果も一般的だと思います。
最終的には定性評価で厳選します。目に見えない投資信託の品質を探るために専門家や販売会社の情報が必要となります。そして、それが有料であることを毛嫌いしないでください。かかる費用を払うことも、重要な資産運用のノウハウです。
投資信託の厳選方法は、専門家や販売会社への賢明なる依存です。
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