損害保険/火災保険の基礎を学ぼう

時価よりも契約金額が少ないと何が問題?

火災保険の契約の際に保険金額についてきちんと説明を受けていますか?時価額なのか再調達価額か、また実損てん補か比例てん補になっているかでもしものときに大きな差がでるのです。

平野 敦之

執筆者:平野 敦之

損害保険ガイド

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火災保険では契約金額をいくらにするのかは重要な要素です。
住宅の火災保険を契約するときに重要な評価額。いったいいくら位が適正な金額なのか分からない人も多いのではないでしょうか。言われたままの金額で契約し、長い間そのままになっていませんか?また火災保険を適正な金額で契約していない場合に火災などが起きたとき何か問題はないのでしょうか。

火災保険の契約にはなぜ適正な評価であることが必要なのかということ、さらに必要以上に過大な評価であったり(超過保険)した場合について解説していきます。ページ数がいつもより多めですが、図を入れている関係なので気軽にお読みください。

火災保険を契約する際の評価

火災保険の評価額の種類についてまずは確認しておきましょう。具体的には以下の2つになります。
  • 時価
  • 再調達価額(新価額)
再調達価額(新価額)とは新品の価格のことを言います。今年新築した建物でも建築してから数年経っている建物でも今現在、同じ構造・広さの家を建築したら場合の価格と考えてください。その名の通り新品の価格です。それに対して時価額は新品の値段である再調達価額から経過した年数を減価償却させた価格でいわゆる今の価格です。

時価額の方が火災保険で契約する金額は安くなるので支払う掛け金も安くなりますが、火災などで全焼してしまったときに現在と同程度の建物を建築することができません。再調達価額と時価額の2つをまずは覚えてください。

火災保険に出てくる用語について

この後火災保険で契約している補償額が必要以上に多かったり、少なかったりした場合どうなるのか具体的に数字を出して説明していきますが、専門用語を多少使うので言葉の解説を少ししておきます。

■保険価額
火災などの事故の発生で保険の対象者が被るおそれのある金額を金額に評価した額のことで一般的には時価のことを言います。

■保険金額
火災保険を契約するときのいわゆる「契約金額」のことで、火災保険加入時に補償をどの程度つけるかという時の「いくら?」のことを言います。

上記のことから一般的に時価2,000万円の建物であれば、保険価額は2,000万円になります。ここで契約する金額(保険金額)も2,000万円にすれば良いわけですが、掛け金が高いから契約する金額は安くしたい、あるいはもっと加入したいから必要以上に多く火災保険に加入することがあるわけです。


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