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早婚と晩婚、どちらがおトク?(3ページ目)

結婚の損得は一概には決められませんが、早い結婚と遅い結婚なら、どちらがトクでしょう?「お金に余裕ができてから結婚」は、実はお金が苦しくなるとしたら?

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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晩婚派の損得 最初はラクで後がしんどい?

今度は、遅めの結婚をして遅めに子どもが生まれた場合を考えてみます。イメージとしては30歳以降に結婚、子どもが生まれるのが30歳代後半から40歳代というイメージです。最近では結構ありそうですね。

この場合、一般論としていえば、「最初が比較的ラクだが、後々しんどい」というのが言えそうです。

というのは、ある程度経済的基盤ができ、仕事も形になりつつある年頃に結婚をし、子どもを作ることになりますので、子どもにかかる出費にもそれなりに耐えられますし、むしろちょっといいものも買い与えられたりすると思います。

しかし、コトはそううまく続きません。おそらく子育ての後半戦(子どもが中学~大学へ進む期間)では苦労することになるでしょう。実は子育てで一番お金がかかるのは、高校と大学の7年間だと思うのですが、このとき、親の年齢は50歳代もしくは60歳を過ぎることもあるからです。
仮に35歳で子どもが生まれたとしたら高校から大学にかかる期間はおおむね、50~57歳ということになります。もし40歳で子どもが生まれたとすれば、55~62歳ということになります。

まず厳しさを増している条件としてあげられるのは、50歳代が必ずしも年収が高いとは限らなくなっていることです。かつてであれば、定年前が年収も一番高くなる傾向が強かったので、あまり気にする必要はなかったのですが、今は能力に従って年収が上下動することが増えています。役職なども能力がありエネルギーもある者に与えられる傾向は強まっており、50歳代は年収のピークを過ぎてむしろ下がっている可能性がありますが、そこで学費はどんと重くのしかかってくるおそれがあるわけです。

また、さらに厳しいのは60歳までに子どもが大学を卒業しない場合です。今のところ一般的な定年年齢は60歳のままで、定年時期が引き上げられる傾向はまだ強くありません。65歳まで再雇用してもらい働き続ける権利は認められていますが、この場合は年収がガクンと下がるのが一般的です。国の年金も65歳までもらえないわけですから、60歳以降については子どもの学費どころではない、という可能性があるわけです。

しかも、40~50歳代は学費の出費が厳しいのであれば、老後のためにお金を準備するどころではありません。おそらく老後のことを考えお金を貯めようと自覚するのは40歳代以降だと思いますが、貯めようにも貯められない可能性があるわけです。そうなると老後はかなりしんどくなるおそれがあります。


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