福岡の秘湯と良い温泉センター
福岡県では温泉センターのレベルが上がっている。掛け流しの温泉が多く良い。また人知れずひっそりと営業している秘湯も捨てがたい。これら4箇所のレポート
1 花立山温泉
HS1.2 CO3 51.0の透明、たまご味、湯口はっきりとした硫黄臭
良い湯である。掛け流し
大きなビルの外観 |
甘木市のとなりにある三輪町にある温泉センター。田園地帯の残る平野を進むと小さな山の上に大きな花立山温泉という看板のある大ホテルのような建築が見えて、すぐ分かった。北九州最大級の温泉館とパンフレットにも謳ってあり大きな建築である。
掛け流しの内湯 |
百人はゆうに入れるほどの大きな内湯と12ヶ所の家族風呂がある。これだけの温泉浴槽に湯を供給する源泉は大量に湧出しているのであろう。分析表に湯量が明記されていなかったが、大きな内湯は掛け流しで利用されていて感動した。ここもパンフレットの表紙に掛け流し式源泉100%と明記されていた。
硫黄臭の良い感触 |
いまや温泉の差別化として源泉掛け流しが標準になってきていると思われ、良いことだと思う。そして温泉の感触もやはり期待を裏切らずに良い。HS 1.2mg H2S 0.1mgという微量の硫黄分も良く残っており、たまご味と湯口にははっきりとした硫黄泉が感知できた。良い湯である。
循環もやむなしという温泉評論家が多いが、私は違うと思っている。源泉は新鮮で掛け流しがやはり良いのである。この施設に行けばすぐわかるであろう。また卑弥呼の湯と同じく炭酸イオン(CO3)が51mgとメタ珪酸イオンも68mg含有されており、つるつるの温泉の見本のような成分である。硫黄臭ととろみのある浴感で非常に良い温泉と評価したい。これは内湯の大浴場での評価であり素晴らしい源泉をそのまま使っているのが良くわかった。どの温泉も自分の温泉を誇りに持って源泉をうまく使ってほしいと思う。この温泉を見本にして大きな温泉施設は改修してほしい。
2ゆのそ温泉
鄙びた街中の銭湯 鉱泉というが規定か? カラン自在 循環
共同湯のような外観 |
国道3号線に沿った久留米市南端の温泉。鄙びた銭湯のような外観でオリーブ色の瓦の載った浴舎に2階建ての小さな建築が付いた温泉である。源泉は建築の直下から出ており、エントランスホールに強化ガラスの床があり、源泉が覗けるようになっている。湯は昔からの鉱泉で透明、無味、無臭の個性のないものである。
タイルの簡素な内湯 |
半小判型のタイル浴槽に源泉カラン自在で内部循環加熱をしている銭湯特有の使い方である。19度の鉱泉で切傷、胃腸病に効く湧泉として江戸時代のころから藩主の利用があったとのことである。しかし現在では個性のない水で、特記することは、昔からの「銭湯の外観」と言ったところであろう。