7 個人宅温泉
温泉湧出の情報を以前から知っていたが、前日に確認して急の訪問となった。あるオーナーが独自に掘削し個人の湯として源泉の隣に別荘を建てて入浴している。ログハウスの横に四角い露天風呂があり一見すると硫黄泉かと見える弱い白濁である。ポンプの電源を入れると汲み上げ分だけ浴槽に入るというシンプルなものである。調節が効かないので60度ほどの湯が大湯量でどんどん出る。冷めていた湯温がすぐさま上昇するので熱くなったら電源を止めるという使い方である。泉質がなかなか良い物で総計5510mgの食塩泉である。しかし珍しいのは白濁している点である。鉄(Fe2)が3.6mgのためであると思われるが褐色というよりも白濁であった。湯口では弱い硫黄臭が感じられるが分析値ではHSもH2Sも感知されていない。新規に入れられた湯は弱いが泡付きもありさすがに新鮮な湯であることがわかる。夜の為に色についてはやや不安があるが「薄白濁、塩甘味、少硫黄臭」と記録した。
8柳沢鉱泉 清水屋
那須高原の山麓にあるこの鉱泉宿は貴重である。湯量豊富な大丸温泉やロープウェイ下の明礬沢源泉などを引いたペンションや大きなホテルが周囲にたくさんある中にあって古くからの鉱泉で営業している。6.3度の含食塩重炭酸土類泉でマグネシウムが主体というのが珍しい。MgCaNa-HCO3、Cl泉と表記される。湯を見て直ぐにわかる特徴は表面の膜張りである。白い油面のような表面析出物があり、入浴すると壊れて湯の表面が現れる。ここで思ったがマグネシウムの多い源泉特有のものである。ニセコワイス温泉(CaMgSO4、Ca,Mg拮抗)や津軽湯の沢でわの湯(MgNaCa-Cl)などマグネシウムが主成分の温泉に見られる。総計は2452mgと比較的薄いが湯の色や味覚は存在感大きい。薄褐色、渋エグ味、無臭と観察した。内湯のみの循環加熱であるがカラン自在になっており鉱泉ではこのような使い方で良しとしている。源泉をたくさん投入して入浴できるので好きである。CO2が601mgの含有量であるが感知できなかった。
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