温泉/東北の温泉

下風呂、恐山、野湯ほか 青森の秘湯3(3ページ目)

青森の秘湯3は五所川原から津軽半島を行き、蟹田からフェリーで下北半島に渡ります。下北半島は濃い硫酸塩泉や強食塩泉、下風呂、恐山の硫黄泉や酸性泉があり良い地域である

執筆者:郡司 勇

4 O温泉  持ち主に案内してもらう。白濁の硫黄泉、足元湧出 
 

今回は聞き込み廻りから始まりますが運良く所有者に連絡が付き、同行して案内していただけることとなりました。その案内がなければ行きつけないと思いました。林道のなにもない地点で降りて杉林の中を下って行きますので。さてポリエチレンの白い波板で作られた掘っ立て小屋の温泉は外観は安部城に似ているが、休憩場所のスペース分大きなものである。鍵が硫黄分で真っ黒に硫化していてなかなか開かないが粘ってやっとあけることが出来た。浴室を見て驚いた。真っ白の丸い源泉浴槽が1つ建築の壁一杯にドンと余りに唐突に存在していた。2mの掘削の足元湧出源泉浴槽である。ややヌルく36度であるが白濁、硫黄甘味、硫黄臭多しという硫黄泉好きは「のけぞり」そうな濃厚な硫黄泉である。湯坂温泉に似ているというか?湯の中に硫黄分がたくさん凝縮しているような印象を持った。H2S型であろうがHS-もかなり含んでいると推測した。掘っ立て小屋のレア度や泉質の良さ、周囲の深山の雰囲気など温泉巡りをしている経験上、満足した記憶の一つとしてずっと残るであろう。

5夫婦かっぱ露天風呂(再訪)  

薬研温泉の夫婦かっぱ温泉は以前訪問した時にはオープン真近で渓流に沿った清々とした露天風呂だなあと思っていたが、循環であると聞き再訪してみたらほんとうにそうであった。湯が足りないとは思えないので施設をプロデュースした人達の無知による誤りだと思った。存在位置や景観などは優れているのでこのような利用法はすぐさま止めてもらいたいと思う。総計610の石膏芒硝系の単純泉で67度であった。

6かっぱの湯 露天風呂 (3回目)   

薬研温泉の命名の由来の源泉とはこの湯の湧出口だと思った。岩が小さな窪みになっていて湯が湧出している。清冽な渓流に面した露天風呂でこの状況は全国屈指の存在であることは間違い無い。ここの湯は浴槽の縁に沿って湧出があるので外側の渓流に近づくと熱い。さらに上流側の湯上部が熱く面白い。昔から全く変わらずに嬉しいし、安心した。広い露天風呂が適温になるだけの湧出量なので源泉の流れに当たると熱い思いをすることになる。両手を振って良くかき混ぜながら入浴した。茶色の髪の若い女性もいて楽しい入浴となった。

7かくれかっぱの湯   

奥薬研温泉と薬研温泉の間に渓谷が狭まり急流になっている地点がある。滝もあるという名勝地に温泉が湧出している。奥津温泉でいうと般若寺温泉のような地点である。旧旅館跡地というがまさに絶景で良いところに温泉があるものだと思う。タイル貼りの部分と露天風呂風の部分があり、床のすのこや壁、ベンチが作られ整備されている。清澄な湯で個性は少ない。石膏系の単純泉であろうが掛け流しで、透明、無味、少湯の香りと記録した。



8恐山温泉(3回目) 古滝の湯、女性用取材特別許可   

荒涼とした地獄地帯は噴気や硫黄臭や真っ白な禿山など一種畏怖する雰囲気があるので宗教的な霊山とされている。川原毛と立山と恐山で3大地獄と言い、全て温泉が湧出している。恐山は境内に4つの温泉がある。そして風情の良い湯屋が掛かり木造の鄙びた共同湯のようで好きである。寺院の建築は行く度に整備され新築されて変わって行くが、湯小屋は改築されているのであるが昔のままの意匠で木造平屋の瀟洒な湯気抜き付きのものである。女湯として使われている古滝の湯は一番白濁が強い。白濁、酸味、硫黄臭と観察した。浴槽は前後に2つあるもので冷抜の湯と薬師の湯とも同じものである。酸性泉と分類したい。

9  冷抜の湯   男性用
男湯に使われている冷抜の湯は古滝の湯のすぐ隣であるがやや泉質が違う。白濁が弱
く酸味が強くなっている。硫黄臭は同じほどである。酸性泉

10 薬師の湯 寺院用取材特別許可 
寺院専用の薬師の湯は弱い白濁、酸味も弱く、硫黄臭も少ない個性の少ないものであるが加水していないので熱い湯になっている。内部が改修され綺麗になっていた。

11 赤染の湯 混浴用、

地獄の荒涼とした風景の中にぽつりと建つ風情が絶品であった湯小屋。宿坊の新築で近くまで開発されたが背景は同じ地獄風景である。ここの湯は酸性が弱く硫黄が強くなっている。硫黄泉といっても良いであろう。白濁もほとんどなく透明、硫黄甘味+弱い酸味、硫黄臭である。2浴槽の中央から両側に入れる方式ではなく3浴槽の片側に源泉を入れ順に次の浴槽に流れる方式で3つの温度の浴槽があり良い使い方だと思う。単純硫黄泉であろう。
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