温泉/東北の温泉

下風呂、恐山、野湯ほか 青森の秘湯3(2ページ目)

青森の秘湯3は五所川原から津軽半島を行き、蟹田からフェリーで下北半島に渡ります。下北半島は濃い硫酸塩泉や強食塩泉、下風呂、恐山の硫黄泉や酸性泉があり良い地域である

執筆者:郡司 勇

20千金温泉  硫酸塩泉日本一か?   

民営の小さな公衆浴場で佐井村の原田地区にある温泉。国道からやや山側に登ると、新築の民家のような温泉があった。湯は51.7度の含食塩芒硝泉が湧出している。総計は8212mgでNa 2440 Ca 284 Cl 1363 SO4 3922(66.7%)である。これほどの濃度の硫酸塩泉は全国でも少なく、たいていは食塩が濃くなってしまう。芒硝泉としては数値的には日本有数であると思われる。湧出量は毎分50リットルであるがコックより掛け流しにして使い切っており素晴らしい。ほぼ透明(微黄色濁り)、純粋な芒硝味、微薬臭である。大きな浴槽1つのみのシンプルな施設であるが、いろいろの浴槽を作って循環や加水するよりもずっと記憶に残るし温泉本来の良さも味わえるので良い。特記する点は味覚で芒硝の味が塩に勝り特有の不思議な薬味になっている。さらに飲泉後は苦味がのどに残り芒硝の濃さを体験した。湯と使い方の良さで良い評価としたい。

21大間温泉(温泉地再訪) 養老センター 

本州最北端の大間温泉は元湯に鄙びた共同湯があり養老センターとしてやっている。21時の終了時間前であったためか閑散としており客は私一人であった。総計12170mgの高張性の食塩泉(NaCa-Cl泉)で弱く加水されながら掛け流しされていた。54.5度の湯が225リットル湧出している。源泉は透明、塩スープ味+弱い苦味、無臭でなかなかのものである。下加茂や熱海の苦味を取り去った程度で指宿より濃いと思った。

22下風呂温泉(4回目)  まるほん旅館泊 大湯源泉掛け流し

下風呂はバイクで林道ツーリングしている時から4回目の訪問である。以前長谷旅館に泊まったがもう一度と思い部屋が空いているか聞くが満室で次に気になっている大湯前のまるほん旅館に宿泊した。木造の情緒のある宿で好きなタイプである。湯は酸性硫黄泉で大湯と同じ源泉との事である。地下に下るような浴室は小さなコンクリート浴槽に白濁した湯が弱く掛け流しされていた。耐酸性の腐蝕防止ペイントで塗装され水色になっているが剥げかかっている小さな浴槽である。「名湯は下へ下れ」の通り良い湯で白濁(15センチ)酸味+卵味、それほど強くないがはっきりとした硫黄臭と記録した。


1下風呂温泉  新湯(3回目) 

朝一番で新湯共同湯に行った。中央に大きなポリ浴槽が1つある共同湯で青く塗られた湯舟に源泉が弱く掛け流しされている。白濁は薄く透明、酸味、硫黄臭少ないと観察した。大湯源泉よりも酸性泉の感触が強まり硫黄分は弱くなっている。清潔に使われている共同湯で好感した。

2桑畑源泉  強い硫黄臭、塩味、炭酸味良い湯である 泥湯 

青森県の地質誌は当たりハズレもあるが源泉がたくさん載っていて頼りになる。この桑畑や畑尻も載っている。この桑畑温泉は斎藤氏の報告もあり楽しみにしていた温泉である。素晴らしい源泉ですね。塩の濃さと硫黄の強さは月岡を連想するもので。源泉パイプ掛け流しはワイルドで仮設浴槽半分が泥で埋まっているというのは非常にレアで震えるような喜びであった。朝一番の工事現場に入り源泉を探すがわからずに帰ろうと思うと以前の私と同職の現場監督が出勤してきて教えてもらった。硫化水素が湧出しているので危険と思われる源泉であり、自噴でポリの浅い浴槽に湯が流れ放しになっていた。等張性ほどの食塩硫黄泉で炭酸味も強く出ている源泉である。泥色、炭酸味>塩苦味>たまご味、硫黄臭多しという良いものであった。現在コンクリートの本体が出来つつある新施設ではこの湯のどれだけの表現ができているか心配である。良い湯になることを切に願う。

3畑尻温泉  旧なぎさ旅館   

まるほん旅館で鉱泉誌に載っている温泉のことを聞くと、桑畑とこの畑尻のみ判明したので行ってみた。まだやっていそうな旧民宿で過去のテレビ取材の色紙なども貼ってある宿であったがもうやめたそうである。ちいさな浴室に自噴の源泉が掛け流されていた。下風呂に近いが、単純泉のきれいな湯である。39度、透明、少塩味、無臭と観察した。しかし浴室は壮観で長年の掛け流しによる褐色に染まった浴槽は素晴らしい。自噴泉ならではの現存でありよかったと思う。
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