南国とはいえ、台北など台湾の北部や山間部は冬になるとそれなりに寒くなる。季節に関係なく普段から鍋好きな台湾の人も、寒くなったらなったでまた鍋を囲まなくちゃ、と思ったりする。日本から台北を訪れて、ちょっと冷え込んできたと思ったら、日本人でも食べやすい(試しやすい)鍋があるので紹介しよう。
酸菜火鍋ってどんな鍋?
鍋の肉の下に、酸菜が隠れている! |
そんな酸菜がたっぷりと入った鍋に、羊肉(もしくはブタ肉か牛肉)、野菜、カニ、エビ、凍み豆腐などを煮て食べるのが今回紹介する酸菜火鍋なのだ。酸菜の酸味もまろやかになって、肉や他の具と一緒にモリモリ食べられる。寒い時だけでなく食欲のない時でも、この鍋を前にするときっと食欲もわいてくるはず。
老舗の長白小館で酸菜火鍋を食べる
路地裏にある老舗 |
2人用の鍋から用意されているから少人数でも安心だ。鍋(酸菜、カニやエビ、凍み豆腐などのスープ)、肉(羊、ブタ、牛から2種類を選べる)、野菜、はるさめが基本のセット。サイズは4種類あって、小火鍋套鍋(2人用)が880元、中火鍋套鍋(3~4人用)1380元、普大火鍋套鍋(5~7人用)2000元、特大火鍋套鍋(8~10人用)2200元となっている。好きなサイズの鍋セットを選んだら、お好みで具を追加するのが台湾スタイル。鴨血は一皿40元、野菜、厚揚げ(油豆腐)などは一皿80元、肉団子やエビ餃子などは一皿100元、内蔵(腸など)は一皿320元、酸菜も追加可能で一皿200元だ。台湾の人に人気なのは、鴨血(アヒルの血を固めたもの)、炸肉丸(揚げ肉団子:200元)毛肚(胃袋:320元)。内臓系の他は、えのき茸や餃子もよく食べられている。鍋の火はガス。店員がこまめに調節してくれるしスープも足してくれるので煮え過ぎも心配ない。
鍋料理を食べるときは、用意されたつけタレにつけて。つけタレの基本は、ごまペースト(芝麻醤)、紅腐乳、おろしニンニク(蒜泥)、ネギ(葱)。これに香草を入れたりして食べる。まずはこの基本形のタレで食べてみて。
食通や常連客になると、自分好みのタレを作るのも楽しみになるもの。店の端に用意された10数種類の薬味や調味料を、各自で好きなように調合していく。紅腐乳、おろしニンニク、ネギ、醤油、ごま油、辣油、豆板醤、酢、レモン汁などが用意されているので、タレの入った器を持って調味料コーナーへ行き、好きなタレを作ってみよう。
(左)つけタレの基本形と香草 (右)つけタレに酸菜や肉を入れたところ
酸菜火鍋だけでなく、中国北方の小皿料理(小吃)も用意されている。棚に置かれた小皿を自分で選ぶのだが、野菜あり、肉ありでバラエティ豊か。いろいろつまんでみてもよい。どれも一皿40元。葱油餅(ネギ入りのナン:一皿30元)を注文して鍋のおともにするのが地元のスタイルでもある。
店長の宋さん
店を見守る好々爺、宋さん |
宋さんはじめ、店員が鍋の注文方法や食べ方などを教えてくれるから、観光客でも楽しめる店でもある。
酸菜火鍋の味、もしかしたら何度も通ってみたくなるかも。
今冬は、酸菜火鍋を台北で食べて温まろう!